研究分担者 |
バルボサ A フィリピン国立博物館, 民族学研究所, 講師
林 美容 台湾中央研究院, 民族学研究所, 助教授
石井 真夫 佐賀大学, 教養部, 助教授 (20136576)
笠原 政治 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (70130747)
河合 利光 園田学園女子大学, 文学部, 助教授 (90161265)
合田 涛 神戸大学, 教養部, 助教授 (00106593)
小川 正恭 武蔵大学, 人文学部, 教授 (90086926)
倉田 勇 南山大学, 文学部, 教授
松沢 員子 国立民族学博物館, 第二研究部, 助教授 (80099952)
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研究概要 |
本研究は, 昭和61年度において科学研究費(海外学術調査61041083)の交付を受けた「産育慣行よりみた西オーストロネシア諸民族の生命観の社会人類学的研究」に関する, 第二次の野外調査の結果を整理, 分析することを目的としている. 生殖と妊娠, そして出産と子どもの養育に至る一連の過程については, それぞれの社会が独自の認識と価値観をいだいている. 本研究では, これらの事象の調査結果をふまえて, 親族制度の基本にかかわる行為規範と認識体系について研究会を開催し, 調査成果を発表するとともに, 資料を整理して, 地域ごとの特性と共通性, 問題点の洗いなおしを行う. 昭和61年度に第二次の現地調査を実施したので, 本年度は調査資料を整理し, 出産と養育にかかわる行為, 規範, 親族行動, 性差の社会的意味などについて, 昭和62年5月22日ー24日, 同年7月21日ー23日の二度にわたり, 横浜国立大学において研究会を開催し, 全員が研究成果を発表し, 比較検討を行った. 同時に, 台湾について, 山路がブヌン族・ツォウ族, 松沢がタイヤル族, 笠原がルカイ族, 小川がツォウ族について, 新生児の社会的認知・地位決定・首長制およびシャーマニズムとの関連などについて, 一連の資料を整理した. フィリピンについて, 合田がルソン島のボントック族およびイフガオ族, 河合がミンダナオ島のブギノドン族の妊娠・出産・育児に関する資料を整理し, 社会的・文化的背景のなかで, 産育慣行の意味を検討した. インドネシアについて, 倉田はスンバ島のスンバ族, 石井はスラウェシのサルアン族について, 生命観・出産・育児・性差の意味などについて, 調査資料を整理した. その結果, 当初の構想に誤りのなかったこと, 比較研究のために, より詳細な資料を現地調査によって収集し, 妊娠・出産をめぐる親族儀礼,性差や性的行動などについても, さらに継続して調査研究を推進することとした.
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