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相互作用するボゾン模型による核構造研究

研究課題

研究課題/領域番号 62045011
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関東京大学

研究代表者

有馬 朗人  東京大学, 学長 (40011465)

研究分担者 LU DaーHai  北京大学, 副教授
YANG ZeーSen  北京大学, 教授
YANG LiーMing  北京大学, 教授
大塚 孝治  東京大学, 理学部, 助教授 (20201379)
矢崎 紘一  東京大学, 理学部, 教授 (60012382)
DA-HAI Lu  Peking University, Department of Physics Assoc Professor
ZE-SEN Yang  Peking University, Department of Physics Professor
LI-MING Yang  Peking University, Department of Physics Professor
SONG Tao  北京大学, 助手
LU Da-Hai  北京大学, 教官
ZHOU Zhi-Nin  北京大学, 教官
YANG Li-Ming  北京大学, 教授
吉永 尚孝  東京大学, 大型計算機センター, 助手 (00192427)
吉田 宣章  東京大学, 理学部, 助手 (80182773)
佐川 弘幸  東京大学, 理学部, 助手 (50178589)
研究期間 (年度) 1987 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1987年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
キーワード集団運動 / 四重核変形 / 相互作用するボゾン模型 / 殻模型 / セリョリテイ / 有効電荷 / 高スピン状態 / 指標依存性
研究概要

本研究課題では、質量数が約100以上の中重核領域の原子核の構造について、相互作用するボゾン模型に基づいた観点から幾つかの理論的研究を行なった。共同研究の相手は、北京大学物理学教室の楊立銘教授及び楊澤森教授のグル-プである。日本側からは、延べ9名が北京大学を訪問し、中国側からは延べ8名が東京大学に滞在して、共同研究を行なった。これまでに関連する論文を6編出版し、今後さらに少なくとも3編の論文を出す予定でいる。
研究されたテーマは多岐に渡るが、主なものは次の3つである。(1)S核子対の構造関数の決定、(2)奇核の構造、特に電極遷移に於ける指標依存性、(3)ダイソン法によるフェルミオン-ボゾン写像。以上の他にも、例えば八重極変形やクラスター構造などについても、大変意義深い討論などを行なうことが出来た。以下では、ここに挙げた3つの主要なテーマごとにさらに詳しく述べたい。
(1)S核子対の構造関数の決定
北京大学の楊立銘教授のグループは最近、ボゾン的特性を盛り込んだS核子対の導入を提唱している。S核子対は相互作用するボゾン模型のsボゾンと対応しており、重要な意味を持つ。この方法はこれまでにない新しい考え方を含んでおり、本研究計画の中でも重要なテーマとして検討されてきた。この方法のS核子対は、あたかもボゾンのような交換関係を満たすので大変興味深く、これから注目される可能性がある。一方、東京大学のグループが提唱し一般にも受入れられているS核子対はBCS理論から導かれ、少なくとも見かけ上は異なる構造を持つ。そこで、この共同研究で行なわれた事は北京大学方式のS核子対から作った波動関数、粒子数を保存したBCS計算により求められたS核子対から作った波動関数、及びS核子対の凝縮を仮定しない厳密計算による波動関数、の三者の比較である。この内、最初の計算は主に北京大学の研究者が東京大学で行なった。残りは東京大学側で行なった。得られた結論は、大多数の場合において、BCS方式のS核子対の方が多少厳密解に近いが、逆の例も少しはあり、実際上はこの2種類のS核子対はほぼ同じ波動関数を生みだし、両者とも厳密解の良い近似となっている、という事であった。この結論は、粒子数にもほとんどよらず、一般的なものである。ただ、準殻が閉じている場合などは例外的である可能性もあり、現在研究中である。
(2)奇核の構造、特に電磁遷移に於ける指標依存性
相互作用するボゾン模型を奇核へ適用できるように拡張したものが、相互作用するボゾン-フェルミオン模型である。この模型を用いて、現在世界的に注目されている奇核の電磁遷移の指標依存性を研究した。この研究は主に東京大学の側で行なったが、後半では北京大学側の研究者も本格的に加わった。研究全体を通じて双方の間での討論は有益であったことは言うまでもない。研究の対象となった原子核は^<173>Yb,^<157>Ho、^<165>Lu及び^<163>Dyであり、更に現在、^<155>Dyと^<157>Dyについても共同研究を継続中である。近隣の偶々核の構造や、ボゾンと奇核子の間の交換相互作用の強弱によって様々なパターンの指標依存性が説明できる事が分かった。又、三軸非対称変形と交換相互作用が結びつくと特に大きな変化が現れる事が明らかになった。交換相互作用の微視的起源についても、1番目のテーマとも関連して、共同究中である。
(3)ダイソン法によるフェルミオン-ボゾン写像
ダイソン法によって、フェルミオン多体系をボゾン多体系に写像すると、非エルミート性が表れるという問題点が以前より指摘されてきた。それに関して、北京大学の側からある変換を導入することによりこの困難が避けられるのではないか、という考えが示され、それを共同して発展させた。その結果、確かに近似なしにエルミートな形でのハミルトニアンが導出できることが分かり、これはこれまでの研究に比べて大きな進歩である。しかし、非常に多くの種類のボゾンを導入しなければならないというもう一つの困難は残っており、これを避けるための方法を現在共同して検討している。

報告書

(2件)
  • 1989 研究成果報告書概要
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 大塚孝治,杉田道昭: "United Description of Quadrupole-Octupole Collective States in Nucled" Physics Letters. B209. 140-144 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大塚孝治,杉田直昭: "Alpha Decay from Quadrupole-Octupole Collective States of Actinide Nuclei" Journal of Physical Society of Japan. Suppl.58. 530-537 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉田宣章,佐川弘幸,大塚孝治,有馬朗人: "Signature Dependence of Electromagnetic Transitions and the Interacting Boson-Fermion Model" Physics Letters. B215. 15-18 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] D.H.Lu,L.M.Yang: "Self-consistent Structure of S and D pair" 原子核研究(INS,Univ.of Tokyo). 33. 173-182 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] L.M.Yang,Z.N.Zhou,D.H.Lu: "Self-consistent Structure of the S pair and the D pair in Nuclei" Physiccal Review. G49. 2885-2890 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉田宣章,佐川弘幸,大塚孝治,有馬朗人: "Signature Propertry of Odd-A Nuclei in the Interacting Boson-Fermion Model" Nuclear Physics. A503. 90-112 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Otsuka, M. Sugita: "Alpha decay from quadrupole-octupole collective states of actinide nuclei" Journal of Physical Society of Japan. 58. 530-537 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] N. Yoshida, et al.: "Signature dependence of electromagnetic transitions and the interacting boson-fermion model" Physics Letters B. 215. 15-18 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] L. M. Yang, Z. N. Zhou and D. H. Lu: "Self-consistent structure of the S pair and the D pair in nuclei" Physical Review C. 40. 2885-2890 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] N. Yoshida, et al.: "Signature property of odd-A nuclei in the interacting boson-fermion model" Nuclear Physics A. 503. 90-112 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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