研究課題/領域番号 |
62045012
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小島 卓也 (1989) 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40014203)
高橋 良 (1987-1988) 東京医科歯科大, 医, 教授 (70009918)
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研究分担者 |
南海 昌博 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20218069)
渋谷 治男 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10158959)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20213663)
松浦 雅人 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60134673)
沈 漁邨 北京医科大学, 精神衛生研究所, 教授
SHEN Yu-cun Professor, Institute of Mental Health, Beijing Medical University
楊 暁玲 北京医科大学, 精神衛学研究所, 付教授
侯 沂 北京医科大学, 精神衛学研究所, 教授
小島 卓也 東京医科歯科大学, 神経精神医学教室, 講師 (40014203)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 一般通学児童 / 情緒行動障害 / 疫学的研究 / ラター質問紙 / 定量脳波学的研究 / 中国 / 日本 |
研究概要 |
まず最初に、ラターの作成した質問紙を用いて、日本と中国の小児の情緒・行動障害の疫学的研究を行った。対象は、日本の東京近郊の10小学校、3中学校に通学中の小児で、小学生2,638名、中学生1,091名の結果が得られた。さらに東京の精神科専門病院を問題行動を主訴に受診した小学生65名、中学生176名も調査した。中国では、北京の6小学校に通学中の小児で、2,432名の結果が得られた。日本の6小学校の小児については、二年後に同じ方法で追跡調査を行った。問題行動をもつと判定された高得点児の頻度は、両親の評価では日本の小学生12.2%、中学生6.6%、病院受診児では58.5%、中学生39.8%、中国の小学生では7.0%であった。一方教師の評価では、日本の小学生3.9%、中学生2.7%、病院受診児では小学生90.8%、中学生29.8%、中国の小学生では8.3%であった。一般小学生で、両親と教師が共に問題行動ありと評価した児童は極めて少なく、日本で1.4%、中国で2.1%であった。追跡調査の結果では、両親による問題行動があると評価された112名のうち、二年後にも高得点を示した例は35名(31.3%)であり、教師の評価では46名のうち10名(21.7%)のみであった。高得点児の頻度は日本、中国ともに男児で多く、学業成績の悪い小児で多かった。中国では片親家庭での頻度が高いなど、家庭背景と問題行動とが強い関連を示したが、日本ではこのような傾向はみられなかった。日本、中国ともに一人っ子など兄弟数や出生順位との関連はみられなかった。 次に、一般通学児の中から正常児、問題行動をもつ高得点児、さらに病院受診児の中から注意欠陥障害児についての脳波学的研究を行った。対象数は日本ではそれぞれ30名、27名、21名、中国では27名、39名、41名であった。両国とも、周波数ヒストグラムパターンには正常児と高得点児の間に差がみられず、注意欠陥障害児ではピ-クが左方へ偏位していた。各種脳波要素についても、正常児と高得点児の間には差がみられず、注意欠陥障害児では徐波諸要素が高く、α波とβ波の諸要素が低かった。以上より、両国とも問題行動の成因については、高得点児は社会心理学的要因が大きく、注意欠陥障害児では脳の成熟遅延などの生物学的要因が大きいと考えられた。
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