研究分担者 |
江 林根 北京大学, 応用物理系, 助教授
〓 永慧 北京大学, 応用物理系, 助教授
金 〓泰 北京師範大学, 化学系, 助教授
〓 伯里 北京師範大学, 化学系, 教授
原田平 輝志 九州大学, 薬学部, 助手 (50181029)
前田 稔 九州大学, 薬学部, 助教授 (70101178)
|
研究概要 |
九州大学と北京大学および北京師範大学との大学間学術交流協定締結に伴い,放射薬品化学に関する日本と中華人民共和国との2国間合同セミナーを九州大学において開催するのが本調査研究の目的である. 本合同セミナーを通じて両国間の放射薬品開発の現状を認識するとともに最新の研究成果や技術を交流する. 本調査研究分担者である北京師範大学〓伯里教授および金〓泰助教授は,昭和55年訪問研究員として九州大学薬学部放射性薬品化学講座で放射薬品学の研究に参画され,以来当教室との共同研究関係が継続している. このような交流関係が大学間学術交流へと発展し,今回西代表者の協議の下に,日本および中国における放射薬品化学領域の代表者を参集して,2年毎に日本と中国において交互にセミナーを開催することを計画した. 第1回のセミナーを昭和62年10月13日から17日までの5日間, 九州大学医系キャンパス恵愛会館大ホールを会議場として開催した. 参加者は中国側研究者10名および日本側研究者22名が出席し,一般演題29件,招待講演2件の発表が行われた. セミナーの内容は本領域の多彩化時代を反映して, 放射薬剤のデザインと安定性,品質管理,核種の製造と応用,標識技術の開発,放射薬理学,モノクロナール抗体による核医学診断剤や放射線治療剤の開発など,理論と実験の両面にまたがり,研究対象として取り上げられた核種も多岐にわたった. 少人数でのセミナーのため予想以上の活発な質疑応答が行われた. 現在中国では医学用の放射性核種および放射性医薬品のほとんどが国産化されつつあるとのことで,世界的動向でもあるシングルフォトン核種を用いた脳あるいは心臓活動イメージングのための放射薬剤の開発が,中国においても重要課題の1つであるとのことであった. しかし,ポジトロン製剤の開発とその臨床利用については,経済的理由により遅れ,まだ時間が必要である. セミナー期間中,医学部付属病院内の医療用サイクロトロンおよびMRイメージング施設の見学を行い,中国側研究者の活発な質問を受けた. なお,B5版56項から成る本セミナーの抄録集を作成し,参加者ならびに関係大学・研究所等に配布した. 次回は2年後北京においてこの種のセミナーが開催される予定である.
|