研究分担者 |
片桐 一宗 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90029893)
岩熊 成卓 九州大学, 工学部, 助手 (30176531)
八十浜 和彦 日本大学, 理工学部, 助手 (60096922)
穴山 武 東北大学, 工学部, 教授 (20005177)
池田 圭介 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40005921)
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研究概要 |
A15型先進超電導材料を実用化する目的で昭和61年度より3年間の予定で研究を行っている. 1.Nb_3Al線材の開発:粉末冶金法,溶湯浸透法によりNb_3Alの長尺線材化を行った. その特性は両者共ほぼ同じであり, Jcは15Tで約2×10^4A/cm^2,Tcは16.5〜17T,H_<c2>^*は20〜26Tであった. 低酸素Nb粉を用いた線材が優れていた. 2.CaOルツボ溶解によるインシチュ法V_3Ga線材の開発:石灰ルツボ溶解により他の方法に比較して単純な工程でCuV合金鋳塊が製造できた. 鋳塊は良好な加工性を示し, 冷間で直径0.25mm程度の細線化が可能であった. この細線にGaメッキ後熱処理してV_3Ga超電導線材にする予定である. 3.複合強化Nb_3Sn導体の開発:フェライト系ステンレスによる内部複合強化Nb_3Sn導体を開発し, 歪効果の評価を開始した. 他の超電導特性も今後測定する予定である. 4.Nb_3Geの線材化研究:CVD法により長さ8cmのNb_3Geテープ材を作製し, 15Tで8×10^4A/cm^2の特性が得られた. 5.インシチュ法による低交流損失Nb_3Sn線材の開発:インシチュ法Nb_3Sn線材の有効フィラメント径はNb_3Sn生成前に高温短時間の熱処理を加え, Nbフィラメントを円型断面に近づけることによって1/3に減少する. また, 臨界電流密度も改善される. 6.外部拡散法Nb_3Sn線材の開発:外部拡散法により極低交流損失Nb_3Sn線材を試作し, 等価フィラメント径1.8μm,Jc=1.1×10^9 A/m^2(4T)を得た. 低損失化には十分なフィラメント間隔の設定も必要である. 7.歪効果の評価:開発過程にある種々の導体の歪特性を評価した. ブロンズ法導体における二段熱処理,Ti添加の影響,内部複合強化による機械的特性の向上と臨界電流の歪感度の増加などが明らかになった. 8.酸化物高温超電導体:90K級の酸化物高温超電導体の線材化へ向けての基礎研究および熱伝導度の測定研究を行った. ペレットのJcに異方性とヒステリシスがある事を見出した.
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