研究分担者 |
渋井 正直 (株)東芝, 重電技術研究所, 研究員
宮田 寛 (株)日立製作所, 機械研究所, 主任研究員
吉村 忍 東京大学, 工学部, 講師 (90201053)
三好 俊郎 東京大学, 工学部, 教授 (70011195)
白鳥 正樹 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60017986)
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研究概要 |
本年度の代表的な研究成果を以下に示す, (1)三次元非線形非定常電磁場解析コードの開発: 将来の商業炉には, 耐スウェリング特性の観点からオーステナイト系ステンレス鋼のような非磁性材料ばかりでなく, フェライト系材料(HTー9鋼等)も用いられる可能性がある. そこで, 本研究ではスーパーコンピュータによる解析用に開発した電磁場解析コード(反復解法を採用)に, 増分法による磁気ヒステリシス解析アルゴリズムを導入した. これを非線形渦電流解析に適用し, 線形渦電流解析との比較を行なった結果, 線形解析に比べて表皮効果が小さくなることが示めされた. (2)構造設計: 第一壁は,熱負荷・電磁力・照射等の複合荷重環境下で使用されるため, 構造強度設計, 熱設計, 電磁場設計などを総合的に最適化することが要求される. しかし, このような設計問題における基本戦略しとては試行錯誤が要求されるため, 最適設計を行なうには多大な時間と労力が必要となる. そこで, これを軽減するために知識工学的手法を用いて, 第一壁設計支援エキスパートシステムを構築した. 本システムを溶融および降伏をクライテリオンとする第一壁の2次元モデルに対して適用し, 最適板厚設計に対する有効性を確認した. (3)第一壁の健全性の評価: 第一壁の長寿命化という観点からは, プラズマからの輻射や中性子照射などから第一壁を保護する必要があり, そのためには第一壁との共存性に富むアーマ材の開発が急務である. そこで, 本研究では金属とアーマ材として有力視されているセラミックスとの接合第一壁の電磁力および熱負荷に対する強度評価を行なった. 両者の物性値や破壊靭性値の違いなどにより接合界面上で大きな剪断力を生じ, 繰返し熱負荷を受けると剥離が起ることが指摘された.
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