研究分担者 |
蔵元 英一 北州大学, 応用力学研究所, 教授 (30013519)
奥田 重雄 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50111365)
北島 貞吉 九州大学, 工学部, 教授 (10037690)
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部・原子核工学科, 教授 (70033826)
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研究概要 |
(1)傾斜ポテンシャル場の下での照射挙動, (2)He, Hとはじき出しの同時効果, (3)応力下照射挙動, (4)複合過程のモデリングについて研究が進展した. すなわち(1)では先ず表面, 転位のひずみ場などの存在下の点欠陥特に格子間原子の方向性拡散の役割が明らかにされた. 又マスキング法により, 電子線あるいはイオン照射下で制御された欠陥濃度勾配を作り, 非照射部位への点欠陥の流出現象が解明された. 又温度勾配下溶質原子挙動が調べられ, A1中のHにつき輸送熱が求められ, 不純物の効果が明らかにされた. (2)では先ずN1中のHが格子間原子型ループの核生成を助長することが見出され, ステンレス鋼中の水素板状析出物の安定性が調べられた. 又金属間化合物強化型フェライト鋼についてHeが析出物の生成を抑制することが明らかにされた. 更に316鋼でHe,Hの存在下の亀裂進展挙動が調べられ, HよりHeのほうが強い脆化をもたらすこと, Hの影響は400℃以上で消失することが明らかにされた. Heの低温脆化現象については, Heによる純鉄のDBTTの上昇が調べられ, JFMS鋼との対比で粒界強度の効果が示唆された. (3)では応力下, 照射下の格子間原子型ループの生成がAgで調べられSIPA機構では説明できない現象が認められた. 又変動応力下照射挙動(照射下疲労)の研究ではビームのONーOFFにより照射効果の詳細評価が可能となったが, 316鋼でビームON時に顕著な軟化現象が現われることが見出されている. (4)ではモデリングのために必要な点欠陥の特性値として, 純鉄, フェライト/マルテンサイト鋼, オーステナイト鋼について空格子点および格子間原子の実効移動エネルギーなどが求められた. 又ボイド成長の計算を実験と対比することによりバイアス因子が推定された. 又カスケードとHe効果を取り入れたストカスティックな理論から特に低温側で初期条件により現象が著しく変化するという重要な結果が示された.
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