研究分担者 |
寺田 啓子 東京大学, 生産技術研究所・第一部, 教務職員 (50114567)
桜井 誠 東京大学, 生産技術研究所・第一部, 助手 (90170646)
本田 融 東京大学, 生産技術研究所・第一部, 助手 (90181552)
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所・第一部, 助教授 (60011219)
辻 泰 東京大学, 生産技術研究所・第一部, 教授 (70013092)
|
研究概要 |
核融合炉壁における水素リサイクリング過程を考察する際,水素原子の運動エネルギーが小さい状態での炉壁の水素反射に関する実験的研究が必要とされている. この点を主題にして,次の方法で反射現象の解明を行なった. 1.炉壁表面に入射した気相水素は,反射と吸着(吸蔵も含め)のいずれかの過程をとる. 從って反射される粒子の数は,入射粒子数と吸着粒子数との測定から,それらの差として求められる. しかし,反射粒子数の定量測定はむずかしいので吸着水素量の定量測定を意図した実験を行なった. まず,低温冷却した固体表面に水素を吸着させ,吸着水素のLEELS(低速電子エネルギー損失分光)スペクトルを観測し,オルソ水素とパラ水素との表面存在比を求めた. この結果から単一層を形成する水素凝縮状態を知ることができる. この状態にある吸法水素量は分っているから,これを吸着量の基準としてレーザー照射による脱離水素量の較正を行なうことができた. 2.原子状水素の定量的な検出法を確立するため,低温領域においてサーモフレーク(半導体センサー)の検出特性を評価した. 低温ほど,その感度は上昇し200K付近で常温に比べてほぼ10倍まで達することが確められた. 水素原子線は0.3Torr程度の水素気体を高周波放電状態にして得ているが,放電状態から同時に放出される光の影響は無視できることも確認した. 3.レーザー昇温脱離法において,これまで使用してきた通常の四極子質量分析器に替えて,多種イオンを同時に検出できる新型の分析管を開発した. セクター磁石を使って多種イオンを質量比に分離し,感度をあげるため位置敏感度検出を用いた. これによって,同じ表面状態から脱離する多種イオンの飛行時間測定が可能である. 4.近年重要になった非晶質材料による表面被覆の研究で,欠けている原子配列横造を知るElectron EXAFS法を開発した.
|