研究分担者 |
前川 一郎 東北大学, 工学部, 教授 (70018464)
庄子 哲雄 東北大学, 工学部, 助教授 (80091700)
高橋 秀明 東北大学, 工学部, 教授 (10005267)
松縄 朗 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (20029119)
中野 元博 大阪大学, 工学部, 助手 (40164256)
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研究概要 |
本研究の目的は, 核融合炉用超電導マグネットの技術的課題の一つである極低温構造材料の破壊強度特性について先見的立場から基礎研究を実施することである. このため, 極低温下の引張強度,破壊じん性,疲労特性, 並びに, 溶接法と溶接強度特性の評価に関して総括的な検討を行うとともに, 材料強度を決定する変形・破壊機構について徴視理論的研究を行っている. 1.極低温下での疲労き裂発生とその伝播挙動 極低温疲労試験を実施するためのクライオスタットを設計・製作し, 東北大学に設置した. 4Kにおける疲労特性の測定は現在進行中であるが, 288Kから113Kで鋼の疲労寿命に及ぼす非金属介在物の影響を調べた結果, 低温では介在物含有量の多い方が長寿命を示しており, 疲労き裂発生及び伝播における介在物の影響評価の検討が不可欠であることが分った. 2.先進極低温構造材料の溶接法と溶接強度特性の評価 超電導マグネットの製作においては厳しい寸法精度が要求され, 溶接時の変形を極力小さくする必要があるので, 電子ビーム溶接あるいはレーザ溶接が最適な方法であろう. そこで新たに開発された高マンガン鋼及びステンレス鋼について電子ビーム溶接とレーザ溶接が強度特性に与える影響を調べた結果, 4Kでの継手強度が母材と同等以上になる溶接条件も認められた. 3.ステンレス鋼の破壊強度特性とき裂先端での温度上昇 極低温では材料の熱物性の変化により変形に伴う僅かの発熱でも局所的な温度上昇を引き起して材料の強度特性に影響を及ぼすことが危惧される. そこで各種ステンレス鋼の破壊じん性試験においてき裂先端での温度も実測した結果, 温度上昇には連続型と突発型が観察されることが分り, さらに, それぞれの温度上昇はJ積分値の増加量で整理できることが明らかになった.
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