研究分担者 |
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
井上 正二 大阪大学, 工学部, 教務職員
西川 雅弘 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029287)
有富 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (60101002)
井上 晃 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016851)
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研究概要 |
本研究は液体金属冷却方式に於いて最もキーポイントとなっているMHD問題を絞点を合わせ, 実験と解析を行なうことにより, データーベースの充実を計り, 設計と評価に資することを主眼としている. 強磁場下での液体金属伝熱実験は, 世界的にもデーターが皆無に等しく, 日本が果たすべき先導的役割が大きい. 従って, 阪大では超電導磁石によりLi流に平行な磁場(〜5T)で, 又, 東工大では常電導磁石でLi流に垂直な磁場(〜1.5T)で分担して伝熱実験を行なった. いずれの場合も, これまで予測されていた様に磁場を強くすると層流化されて伝熱が劣化すると云う単純なものではないと云う実験結果を得た. 即ち, 東工大の実験では偏平矩形管の片側加熱Li流路に対し長辺に沿った垂直磁場にかけているが, 0〜1.5Tの範囲では, 磁束密度と共に熱伝達係数がむしろ増加する傾向を示している. 又, 阪大の実験では円管内ヒーターピン加熱の環状Li流路に平行な磁場を加えているが, 高速Li流(3〜4m/s)では強磁場により熱伝達は抑制されるものの, 1m/s程度の中速流では, B=4〜5Tで熱伝達は大幅に促進される. 更に, 0.25m/sの低流速ではB=2〜3Tで大幅な温度ゆらぎが観測されるなど複雑な現象であることが示された. 今後はそのメカニズムを解明するためのデーターの蓄積を計っていく必要があろう. 圧力損失についても, 阪大と東工大のLiループを用いて並行的に測定された. 又, 阪大ではNaKループを用いて矩形管のMHD圧力損失及びその端部効果について測定した. 一様磁場中の2a×2b矩形管圧損については, 阪大が提案している一様電流密度モデルに基づく評価式: dP/dz=KpσfUB^2, Kp=C/(1+C+a/3b), C=σwt/σfa がNaKの実験結果とよく合うことを確認した.
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