研究分担者 |
宮原 邦幸 熊本大学, 工学部, 教授 (90040401)
松本 泰國 近畿大学, 九州工学部, 教授 (20037229)
入江 冨士男 近畿大学, 九州工学部, 教授 (80037647)
岡田 英彦 大分大学, 工学部, 教授 (80037762)
川島 照子 福岡工業大学, 教授 (60148898)
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研究概要 |
本研究はまず従来の合金系N_DTiFM線の超電導マグネットについての機械的擾乱エネルギー損失を, 液体ヘリウム蒸発量とAEから定量化を試みた. 次にセラミック系高温超電導材料のマグネットへの早期実用化を目ざし, イットリウム系のバルク試料の諸特性と, 更にリボン状線材を試作し問題点を検討した. まず機械的擾乱の定量化ではコイルシュミレーション法によりテストマグネットの励磁, 減磁の際のヘリウム蒸発量を測定した. その結果巻線の軸方向の摩擦損失は円周方向の損失より大きく, また励磁回数を重ねると小さくなるいわゆるトレーニング効果が観測された. また応力ーひずみ特性からAEエネルギーを推定する方法については, 音圧ー電圧変換率, 音響伝達係数などを考慮した定数Kは10^<-3>〜10^<-4>と算出できたが, ひずみゲージの数を増やせばより精度が上がることが明らかになった. 次に酸化物超電導体が, マグネット材料として実用になるか否かは超電導マグネット技術の重大な関心事で, 線材としての現時点での問題点はJ_cがどこまでゆくかということである. この研究では, 仮焼きしたYBCOを砕いて粉末にしたものにA_gを混合して再び本焼きすることによってJ_cを高める可能性を試してみたが, 数倍のJ_c向上を鋭い超電導温度転移が得られ, この方法が有望であることが判った. またリボン状酸化物線材については, 基板として高温超電導体よりもイットリウムの割合を少くした酸化物Y_xBa_<1ーx>CuOyを作成し, その上にイットリウムをスパッタリングした後にアニーリングすることにより境界面に高温超電導薄膜層を成長させることを試みた. その結果かなりの深さに至ってバルク的な高温超電導層が合成され, しかもその内部により転移温度の高い超電導薄膜が形成されていることが推測された.
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