研究課題/領域番号 |
62065008
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上代 淑人 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012690)
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研究分担者 |
小笹 徹 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70202059)
中福 雅人 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202216)
菅野 純子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80192756)
伊東 広 (伊東 宏) 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10183005)
中村 俊 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00134619)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
103,000千円 (直接経費: 103,000千円)
1989年度: 31,000千円 (直接経費: 31,000千円)
1988年度: 34,000千円 (直接経費: 34,000千円)
1987年度: 38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
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キーワード | シグナル伝達 / GTP結合タンパク質 / Gタンパク質 / rasタンパク質 / 細胞の増殖と分化 / ヒト染色体遺伝子 / 遺伝子の発現調節 / 百日咳毒素非感受性 / PC12細胞 / 細胞の分化と増殖 / 酵母の接合因子 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
1.哺乳動物Gタンパク質の構造と機能については、昨年度に引続き、ヒトGoα及びGxα遺伝子の構造決定を行なった。Goα遺伝子のエキソン・イントロンの構造は、Giα遺伝子群のそれと同様で8個のエキソンを含んでいたが、Gxα遺伝子は2個のエキソンから構成されていた。現在、各Gαタンパク質の機能を解析するために、大腸菌でのリコンビナントGαタンパク質発現系の確立、各Gαタンパク質に対する抗体の調製等を行っている。2.哺乳動物Gタンパク質遺伝子の発現調節機構については、主にGi1α遺伝子について解析を行っている。今回、新たにラットGi1α遺伝子のプロモーター領域を単離しその構造を決定した。Gi1α遺伝子のプロモーター領域の中には、ヒトとラットの間でよく保存された領域が数個存在している事が明らかになった。ヒト及びラットGi1α遺伝子の発現に重要な領域をCATアッセイを用いて決定した。 3.ras遺伝子の機能については、rasタンパク質を過剰生産しているマウスSwiss3T3細胞株を用い、PDGF刺激により、GTP結合型のrasタンパク質が増加することを明らかにした。このことは、この細胞では、rasタンパク質がPDGFを介するシグナル伝達系に関与していることを示している。今後、上記のような系を用いてrasタンパク質の機能を更に詳しく検討することを計画している。4.サッカロミセス酵母のRAS/cAMP系路による細胞増殖制御の解析を行ない、IRA1,IRA2と呼ばれる遺伝子の産物の機能が、哺乳動物においてrasタンパク質のGTPase活性を促進する因子として同定されたGAPと相同であり、哺乳動物GAPの発現によりその機能が代償しうることを明らかにした。この結果は、rasが関与するシグナル伝達系におけるGAPの機能を考える上で極めて重要な知見である。
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