配分額 *注記 |
204,200千円 (直接経費: 204,200千円)
1990年度: 38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
1989年度: 40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1988年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1987年度: 76,200千円 (直接経費: 76,200千円)
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研究概要 |
本研究の目的は、血管作動性ペプチドを研究対象に,1.血管作動性ペプチドの遺伝子発現レベルにおける調節,2.血管作動性ペプチドの受容体レベルにおける調節,3.個体レベルにおける調節を明らかにし、血管作動性ペプチドによる生体の恒常性維持とその異常の分子機構を追求する事である。 平成2年度は,それぞれの研究課題を順調に進展させ,血管作動性ペプチドの機能発現と調節に関し多くの新しい知見を得た。本年度の成果の中で主たるものを述べると, 1.クロ-ン化した3種類のタキキニン受容体を動物細胞で発現し、それぞれの細胞内情報伝達系を解析した結果,いずれもがイノシト-ルリン酸/Ca^<2+>系とcAMP系共に共役している事を明らかにした。 2.3種類のタキキニン受容体mRNAの発現は、神経系と末梢組織で顕著な違いを示し、殊にサブスタンスKは神経系で産生されるにもかかわらず、本受容体mRNAは神経系で発現されないという興味ある“ミスマッチ"が存在する事を明らかにした。ヌサブスタンスP受容体mRNAの発現は,グルココルチコイドによって,同受容体を通して選択的に抑制を受け、ペプチド受容体が遺伝子発現レベルで調節されることが始めて示された。 3.レニン及びアンジオテンシノ-ゲン両遺伝子を導入したトランスジェニックマウスは、顕著な血圧上昇を示し,又この系の阻害剤が血圧亢進を低下させ,レニン・アンジオテンシン系が高血圧発症・維持にかかわるものであることを明確に示した。 4.エンドセリン受容体のクロ-ン化に成功し、その一次構造と共に、本受容体はイノシト-ルリン酸/Ca^<2+>系に共役するG蛋白共役受容体群に属し,血管平滑筋で顕著な発現がみられることを明らかにした。
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