研究分担者 |
島田 充尭 九州大学, 理学部, 助教授 (00037235)
島 敞史 山口大学, 工学部, 教授 (70035038)
林 謙一郎 東北大学, 理学部, 助手 (40124614)
北風 嵐 東北大学, 理学部, 助手 (90035064)
上野 宏共 東北大学, 理学部, 助教授 (50004354)
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研究概要 |
1.熱水溶液中における硫化鉱物の溶解度に関する研究 合成輝銀鉱(Ag_2S)及び内亜鉛鉱 nS)のH_2S-NaOH-NaCL-H_2O系熱水溶液中での溶解実験をバーンズ式溶解度測定装置を用い, 25°〜400°C, 1〜200気圧, 溶液のpH3〜12, NaHS濃度1〜4m及びNaCL濃度0.5〜3mの条件で行なった. これらの溶解度の測定結果と計算から, 熱水溶液中の溶存種はAg_2S(H_2S), Ag_2S(H_2S)(HS), Ag_2S(H_2S)(HS)_2及びAg_2S(HS)_2の銀チオ錯体であると考えられる. これらの溶解反応の平衡定数は温度に対し連続的に増大することが判った. 一方, znSの溶解度より上記熱水溶液中における亜鉛溶存種はZn(HS)2, Zn(HS)_3, Zn(HS)_4及びZnS(HS)_2のチオ鉛体が安定であることが判った. 上記の実験結果, 溶存銀及び亜鉛量は温度のみでなく, pH及び全硫黄量の変化に応じて大きく変化することが明確になった. 2.熱水溶液-硫化鉱物(内亜鉛鉱)間の硫黄同位体の分配に関する研究 合成内亜鉛鉱を温度150°〜400°C, 圧力5〜300気圧の条件下で, Nacl-Hcl-HaHS系熱水溶液と反応させ, 水溶液中に溶存する硫黄種(H_2S及びHS)と内亜鉛鉱間の硫黄同位体分配に関する実験を行ない, 内亜鉛鉱-H_2S及び内亜鉛鉱-HS間の交換平衡定数を求めた. 内亜鉛鉱-H_2S間の同位体比の差は温度低下に従って直線的に減少し, 逆に内亜鉛鉱-HS間では増大することが判った. 3.Fe-Ni-S系鉱物の熱水合成と相関係, とくにペントランド鉱周辺について 温度勾配運搬法により, 温度300°〜400°C, 圧力300〜500気圧の条件にFe-Ni-S系鉱物を熱水合成した. その結果黄鉄鉱, ベス鉱, ビオラル鉱, ペントランド鉱, ゴドレフスキー鉱, 中間因溶体などが合成され, それらの相関係(鉱物組合せ組成関係)を明らかにした.
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