研究分担者 |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
高木 尚 東北大学, 理学部, 助手 (00004474)
小浜 一弘 東京大学, 医学部, 助教授 (30101116)
戸田 弘子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20029945)
大槻 磐男 九州大学, 医学部, 教授 (70009992)
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研究概要 |
カルシウムイオン受容タン白質は, 細胞内カルシウムシグナルとそれをうけて発現する生理活性との連関をつなぐ物質である. この研究班は多種類のカルシウムイオン受容タン白質をとりあげ, 構造-括性の関係を追求している. 研究計画は著しく進行し, 班内協同研究の成果も上っているが, 完成にはなお日時を要するものがある. この特定研究班は明年10月国際会議をおこない, 総括シンポジウムを兼ねる予定である. この3月は研究成果報告書を印刷せず, 国際会議に参加しそのプロシーディングをもって成果報告書にかえたい. 以下本年度の研究業績をまとめる. タン白質の化学構造について, 戸田と高木はアミノ酸配列順序を直接決定する方法をとり, 戸田は0.5pモルの極微量化に成功した. 榊はDNA構造から決定する方法をとって, エクオリンの構造研究をすすめているが, 分泌ベクターの開発に成功し, 現状では最も多量試料タン白調製用の菌体外分泌システムを完成した. 引地・八木の協同研究によって, 酵素活性調節とカルモデュリンの立体構造の関係がNMRによりあきらかになった. エクオリンの部位特異的置換産物のNMR構造研究が榊・引地により展開可能となった. 大槻は電子顕微鏡をもちいてトロポニン複合体を形成している各成分タン白質の形をほゞあきらかにした. 筋収縮のカルシウム刺戟応答システムにおけるトロポニンの役割は, CyDTA処理法を開発し解明をすすめている. 山本は蛍光標識タン白とカルモデュリンの結合反応から, カルモデュリン上の種々標的タン白の結合部位を限定した. 大西は牛鼻のヒフからとった細胞接着系のデスモゾームから, カルシウム依存タン白質を分離した. 細胞成長との関係に焦点があてられている. 小浜は単細胞多核の粘菌変形体のミオシンはカルシウムイオンによって活性阻害をうけることをみいだし, ミオシンのカルシウム結合軽鎖を遺伝子操作で合成して化学構造の相同性を示した.
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