研究分担者 |
水上 茂樹 九州大学, 医学部, 教授 (90037325)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
小沢 高将 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
吉田 博 大阪大学, 医学部, 教授 (70028273)
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
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研究概要 |
本研究は種々の生理活性物質に対する細胞機能応答における細胞内カルシウム(Ca)イオンの作用機序の解明を目的としたものである. 16名の研究班員によって種々の細胞の機能とCaとの関係について総合的に研究した. 以下その一部について概要を述べる. 尾形班員はインスリン様成長因子(IGF)のIGF-IとIGF-IIがそれぞれ受容器を有し, 異なる機序でCa流入をもたらす事を発見した. 鈴木班員は軟骨由来因子(CDF)とCaの相関について研究した. この因子はCa拮抗薬存在下で肋軟骨培養細胞系に添加してもプロテオグリカン合成は阻害されなかったがDNA合成の抑制を認めた. そこでCDFによるDNA合成とプロテオグリカン合成促進作用とは異なる機序で発現すること, 共にCaイオン濃度の上昇が関与することを発見した. 久米班員は, イオノマイシンによる血小板フォスフォリパーゼA2(PLA2)の活性化と〔Ca〕iとの関係は明確ではないが, ジアセルグリセリド(DG)の場合はイオノマイシンと併用するとPLA2と〔Ca〕iとの間には相関があるので, DGによる蛋白キナーゼCの活性化がPLA2のCaに対する感受性を制御している可能性を示唆した. 白川班員はヒト顆粒球マクロファージ前駆細胞(CFU-GM)と後期赤血球系前駆細胞(CFU-E)の増殖における蛋白キナーゼCの抑制剤であるH-7とstaurosponneの作用について検討し, CFU-GMの増殖には蛋白キナーゼCが関与し, CFU-Eの増殖にはそれ以外の調節機構が関与していることを示した. 近藤班員は培養甲状腺細胞の機能制御系とCaとの関連について研究し, 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は百日咳毒素(IAP)非感受性の, そしてATPはIAP感受性と非感受性GTP結合蛋白質を介してリン脂質代謝系とCaチャンネルを作動させて細胞内Caを増加させ, cyclicAMP系と共にホルモン合成制御にも関与することを明らかにした. 栗山班員は, イノシトール3燐酸(InsP3)によって活性化されるCa依存性Kチャンネルの性質について報告した.
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