研究分担者 |
古沢 厳 京都大学, 農学部, 助教授 (10026594)
駒嶺 穆 東北大学, 理学部, 教授 (90011494)
児玉 徹 東京大学, 農学部, 教授 (30011901)
松島 久 埼玉大学, 理学部, 教授 (70011575)
西 荒介 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50019098)
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研究概要 |
本年度も2グループに分けて研究を行い, 以下の成果を挙げることができた. 1.細胞レベルにおける遺伝特性の解析と選抜に関する研究グループ:放線菌や糸状菌の生産物を検索して, 植物細胞の増殖に影響する新しい生理活性物質が見いだされた. ブドウ培養濾液から活性物質の部分精製に成功した. アスパラガス病原菌の培養濾液または精製毒素の存在下でカルスを培養して, 低抵抗性カルスが得られ, 個体再生に成功した. アルミニュウム耐性細胞の選抜, 個体再生も成功した. ニンジン, ダイオウ, カンゾウなどの細胞を変異誘導物質で処理し, 色素生産性の高い細胞の選抜に成功した. 苗条原基の利用を目的とした遺伝学的基礎研究が行われた. 細胞泳動法によるプロトプラスト表層の解析, 誘電泳動焦点電気融合法の開発がなされた. 不定胚を高頻度に分化するニンジン細胞を得, 外来遺伝子を導入, 高頻度で形質転換植物体を得ることに成功した. 2.細胞融合・核注入などによる雑種細胞育成に関する研究グループ:5-8個からなる培養細胞小集塊中の2-3個の細胞に外来遺伝子を注入して, 効率よく形質転換細胞株が得られることが明かとなった. 除草剤耐性遺伝子のクローニング, 発現効率の高いベクターの開発がなされた. 細胞の非対称融合法の開発を目的として, 花粉母細胞を処理して少数の染色体をもつミニ細胞, ミニプロトプラストの作出, 融合が試みられた. せん苔類の胞子培養シャクヤクの花粉培養などの半数体培養細胞からのプロトプラストの単離, 培養, 融合がなされた. カーネション萎凋病感受性高品位品種と抵抗性品種から耐病性高品位雑種の作出が試みられた. 花色発現に関して相補性を有する2系統のプロトプラスト融合による花色の発現などの研究が試みられた.
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