研究分担者 |
吉田 博 大阪大学, 医学部, 教授 (70028273)
高橋 良 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70009918)
瀬川 富朗 広島大学, 医学部, 教授 (80025676)
遠藤 実 東京大学, 医学部, 教授 (50009990)
植木 昭和 九州大学, 医学部, 教授 (80037564)
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研究概要 |
神経活性物質受容体とその機能調節機構について多角的な検討を行ない, 下記の成績を得た. 1)GABAA受容体はベンゾジアゼピン受容体及びCl-チャンネルと共軛しているのに対し, GABAB受容体はG蛋白を介して, adenylate cyclase及びphosphainositide代謝回転と共軛していること, 2)抗うつ薬の作用機序を解明するのに有用とされるmuricide発現動物では, 能内5-HT_2受容体の増加, α_2受容体の減少がみられること, 3)血管における後シナプス性α受容体はα_1とα_2に分類出来るが, これらの刺激に伴う収縮は異なった細胞内メデイエーターを介して出現されること, 4)サブスタンスP受容体は高及び低親和性結合部位からなり, IAP基質となるG蛋白と共軛したものであること, 5)心室筋にはα受容体及びβ受容体が存在するが, β_1受容体を介して生じるcyclic AMPが陽性変力作用の発現に関与していること, 6)うつ状態の出現には, , エンドルフィン作働系の亢進, ドーパミンとCCKの動きの逆相関性など, 脳内アミンと神経活性ペブチドの変化が重要な意義を持つこと, 7)心筋に存在されるムスカリン様受容体には, 従来からいわれて来たM_2のサブタイプ, M_2αとM_2βの両者が区別されること, 8)ブタ大脳から精製したムスカリン受容体の一次構造を決定し得たこと, 9)ムスカリン様受容体はソマトスタチン及び神経成長因子により活性調節を受けていること, 10)平滑筋におけるCa動員機構としてCaによるCa遊離機構の外にイノシトール三燐酸によるものの存在が確認さたこと, 11)神経終末に存在するプロテインキナーゼCは, 神経伝達物質遊離機構において重要な役割を演じていること, 12)CDNAの解析から, 6種のプロテインキナーゼCが存在することを明らかにすると共に, その全構造を決定し得たこと, これらの成果をもとに今後の進展が期待される.
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