研究分担者 |
直井 信 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50022786)
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
砂本 順三 長崎大学, 工学部, 教授 (80037811)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
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研究概要 |
1.ポリエチレングコールで修飾したスフィンゴミエリナーゼは未修飾酵素に比べ血中残存性とプロテアーゼ抵抗性が高いことがわかり, 生体内で酵素活性を長く維持できると期待される. また, 酵素遺伝子を組み込んだプラスミドを効率良くリポソームに封入する方法を開発し, このリポソームにより細胞内に当該酵素活性が発現することを確認した(八木). 2.リポソームは肝細胞リソゾームのホスホリパーゼで分解をうけ再びリン脂質に利用され, ある種の荷電脂質は細胞毒性を示すことがわかった(野沢). 3.リポソームはマクロファージ型の細胞等でホスファチジルセリンに依存するエンドサイトーシスで取り込まれ, リン脂質構成脂肪酸はトリアシルグリセロールとコレステロール脂肪酸エステルとなることを明らかにした(井上). 4.リポソームを多糖で被覆して安定化し, また, シアル酸修飾多糖でリポソームを被覆することにより, 網内系細胞への取り込みを抑制することを可能にした(砂本). 5.カルシウム融合法で調整したプラスミド封入リポソームは, 浮遊細胞に対してリン酸カルシウム法と同等かそれ以上の導入効率を与えることがわかった. (保田). 6.β-D-ガラクトシドで修飾した酵素は神経終末で認識されカルシウム依存性機構等で細胞内に取り込まれることを明らかにし, 神経軸索への酵素輸送の可能性を示した(直井). 7.β-サラセミア症においてカルパイン活性が上昇し赤血球膜タンパクが切断されやすいことに着目してカルパインを赤血球小胞に封入し, 病因への関与について研究した(村地). 8.以上のような酵素補充療法の結果, 生体ホメオスタシスがどのように乱されるかを調べるために, 血中フェニルアラニンとトリプトファンを酵素的に除去したところ, 後者の定常レベルの低下は生体ホメオスタシスに決定的な影響をもつことが明らかとなった. (高井).
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