研究分担者 |
脊山 洋右 東京大学, 医学部, 教授 (90010082)
宮武 正 新潟大学, 医学部, 教授 (50048998)
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
垂井 清一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (00028341)
加藤 敬太郎 九州大学, 薬学部, 教授 (70037571)
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研究概要 |
リソゾーム酵素異常の本態を明らかにするため, リソゾームに関する形態学的研究および生化学的研究を行って, リソゾームの生成, 機能に関与する因子, 関与の形式などを明らかにしようとした. また, リソゾーム酵素異常に関しては, 異常を示す諸疾患について, 酵素の性状, プロセッシングなどについての研究を行い, 種々の病型における酵素異常の本態を明らかにしようとした. また一方では, リソゾーム病に特有の蓄積物質の面からのアプローチを試み, その詳細な検討により, 酵素の異常状態, 病型などの推測を行うほか, 蓄積物質の代謝についての研究を行って, リソゾーム病に関して, 種々の角度からのアプローチを行ったが, その結果, リソゾーム酵素の異常については, 本態解明に大きく役立った. 加藤はプロテアーゼのプロセッシングを研究し, ひきつづいてリソゾーム膜蛋白の生成, プロセッシングの研究をおこなって, 酵素のそれと比較することにより, 膜蛋白の動態を明らかにした. 垂井は糖原病II型のT細胞におけるグリコーゲン蓄積を調べ, 幼若化したT型細胞との相違から, リソゾームの細胞内回転との関係を研究した. 牧田はカングリオシドーシス脳に異常な糖脂質の蓄積を認め, これが脳の分化障害により生じた可能性を推定した. 宮武はシアリダーゼの分子異常を明らかにするため, 酵素を精製し, 抗体を作製してシアリダーゼの生合成について研究をすゝめた. 脊山はコレスタノールの定量法を開発し, 腱量色腫の診断を容易にするとともに, その病態解明のためのモデル動物を作成し, 成功した. 薮内はI-cell病の異質性を, ショ糖添加により証明し, その分子生物学的機能を解明した.
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