研究概要 |
1.減速μのエネルギー分布の測定 荷電粒子ー固体相互作用における荷電の符号依存性を研究するため, 1MeV/u程度の速度を持つμ^-ビームの生成を試みた. そのため65MeV/cのμ^-を数mmのアクリル板, プラスチックシンチレータ等により減速し, そのエネルギー分布をTOF(Time of Flight)法により測定した. スタートディテクタ, ストップディテクタともプラスチックシンチレータを用いた. ここで間題にするエネルギー領域のμに対して, 直接的間接的にMCP(Micro Channel Plate)を用いた場合よりかなり検出効率の良いことが分かった. ストップパルスを発生するシンチレータは充分薄くし(0.2mm), 我々に取って興味のない高速のμ^-やμ^-の崩壊した高速電子に対する検出効率を下げるように配慮した. 大雑把に評価したところ, 入射してくる65MeV/c μ^-の0.5%程度が興味のある速度領域(〜1MeV/u)にあることが分かった. 2.PSD(Position Sensitive Detector)を持つ電子分光器の製作 低速μにより生成された二次電子のエネルギースペクトルを効率良く測定するため有効面積の大きな(60X10mm^2)位置敏感型SSDをSingle StageのMCPと組み合わせて電子の検出部とした分光器を製作した. 電子銃や1MeV/u程度のp,Clイオンと炭素薄膜との衝突により生成されるConvoy電子測定による予備実験では分解能〜1.6%(fwhm)が得られ, 予定どうり作動することが確認された.
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