研究分担者 |
中村 正信 京都大学, 理学部, 助手 (90025479)
野呂 哲夫 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30164750)
鈴木 徹 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20175409)
酒井 英行 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (90030030)
片山 一郎 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (30028237)
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研究概要 |
中間子原子のX線文光学はこれ迄貴重な知見を与えて来たが, 中間子吸収確率が大きい為, 対象と出来る原子核や原子準位に大きな制約がある. 一方, この中間子原子は閾値付近のエネルギーの核反応における共鳴(干渉)効果として観測する事が原理的には可能であり, X線分光で取扱えない領域の測定手段として有望視されている. 我々のグループでは, 中間子原子崩壊確率が大きい為に最も有効であると思われる放出中性子の観測を目射している. 本年度も昨年に引続き大型高効率中性子検出器の開発製作及びデータ収集系の整備を行った. 中性子-ガンマ線弁別機能を有する液体シンチレータNE213を使い, 7.5cm×10cm×100cmの形状の中性子検出器を昨年度は製作し性能テストを行ったが, 今年度は液体シンチレータBC517を用い同形状の検出器についてテストを行った. BC517は, 中性子-ガンマ線弁別機能は無いが, 大きな水素・炭素比(H/C【approximately equal】Q)であり, 廉価でもある. 位置分解能を62MeVの中性子ビームを使って調べ, 約5cmの値を得た. 詳しい解析は現在進行中である. 更に今年度は, より一層の大型化を目射し, 50cm×50cm×5cmの形状で, 中性子-ガンマ線弁別機能を有する液体シンチレータBC519(NE213に比べ化学的毒性が少ない, H/CSYapprxeqP, 7)を使用した中性子検出器を設計製作した. 四隅からシンチレーション光を読み出し, 相互の時間差から二次元位置を求めるユニークな方式を採用した. 現在改良・開発を続けている. また, KEKでの(p,n△^<++>)反応実験(E173)に向けて「核内デルタ励起」のワークショップを開催した. 報告書は現在印刷中である. さらに核研主催の大型ハドロン計画の検討研究会を本事業の一貫として共催した. その方は別の報告書にまとめられる事になる.
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