研究分担者 |
志村 令郎 京都大学, 理学部, 教授 (60025426)
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 助教授 (50025475)
黒岩 厚 東京都, 神経科学研究所, 主事 (20134611)
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
石崎 宏矩 名古屋大学, 理学部, 教授 (60025343)
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研究概要 |
本研究班では, 広範な発生分化の系を用い, 細胞分化をコントロールする遺伝的プログラムの実体を解析し, 分化に際して起こる経時的, 空間的な発現の制御機構を, 主として遺伝子レベルで明かにする研究を行っている. 高田, 大沢はイモリ未分化外胚葉内層タンパク画分の分離方法を開発, タンパク質の同定を行いつつある. 一方神経誘導の初期反応に係わる可能性のあるタンパク遺伝子の発現を確認した. 志村はニワトリのS-クリスタリン遺伝子のinvitroプライシング反応系を開発し, 5′未満のキャップ構造がスプライシングを促進する様式を明らかにした. また, 植物の分化にも手を染め, 形態形成を支配する変異体を多数分離した. 津田は, 小脳プルキンエ細胞の突起伸長に変異のみられる変異マウスの小脳において, 特異的にβチューブリンmRNAの発現が抑えられていることを明らかにした. またSV40の初期遺伝子のエンハンサー活性が, 蛋白リン酸化阻害剤で誘起される突起伸長の際, いちぢるしく低下することを見出した. 石崎は, カイコゲノムDNAおよび脳, メッセンジャーRNAからbombyxin遺伝子のヌクレオチド配列を決定し, いずれもインスリン遺伝子と基本的に同じ構造を示すという興味ある事実を明かにした. 池村は高等動物染色体DNA上のGC含量分節分布が遺伝子発現の制御機構と関係し, GC含量分析分布が染色体バンド構造と関係する可能性を示した. 岡本は, 粘菌細胞分化の各段階においてCAMPの細胞がいかに分化形質の発現に影響を及ぼすかをcDNAを用いて解析した. 島田はマウステラトカルシノマ細胞F9にTPAを作用後, 発現が特異的に減少するRNAに対応する3種のcDNAクローンの一つT27はTPA作用後1時間以内に発現が消失するmRNAに対応, 発現の減少が転写レベルで調節され, レチノイン酸で分化誘導したものでも発現が消失することを見出した.
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