研究分担者 |
上田 純一 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (40109872)
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助手 (00012013)
室伏 旭 東京大学, 農学部, 助教授 (00011916)
和田 清俊 東北大学, 農学部, 助手 (80182971)
瀧本 敦 京都大学, 農学部, 教授 (90026443)
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研究概要 |
1 生物検定法の開発:サツマイモに台木としてアサガオを接木した系においてサツマイモの花芽数と部位は各々, 短日処理の期間と時期に対応した. また接木後完全に活着させると短日処理は四日に短縮できた. これらの結果はアサガオの花成誘導物質によってサツマイモが花成することを示している. この系によってアサガオ子葉中の誘導物質を検定できると考えられる. 2 アサガオの貧栄養花成:貧栄養によって花成するムラサキと花成しないキダチを交配して得られたF1とF2は両親の中間の花成反応を示し, それは子葉のクロロゲン酸レベルとよく相関していた. ムラサキの貧栄養による花成誘導過程で, クロロゲン酸の他にピノレジノールグルコシドが増加することを見出した. 両化合物の生合成酵素であるフェニルアラニンアンモニアリアーゼの活性を各種花成条件のムラサキとキダチで調べたところ, ムラサキの貧栄養花成においてのみ活性が上昇した. 強光・低温による花成誘導過程の初期に増加する不安定な未知成分の精製を行った. 3 アオウキクサの花成:花成誘導活性を有する安息香酸の細胞壁への影響を調べた. その結果安息香酸処理により, アラゼノースとキシロースが顕著に増加し, グルコースが減少した. このことは, 安息香酸が細胞壁構成に影響を与え, それが花成誘導と関連していることを示唆している. 4 発芽・生長:Arthrinium spの生産する抗アブシジン酸物質は, 酸性プロテアーゼによって失活する分子量5万以上の蛋白質であった. コムギ未熟種子の生長因子を検索したところ, ブラシノステロイドの存在が示唆された. 5 老化:アコウ樹葉中のジャスミン酸量は年間を通して一定であったのに対し, そのメチルエステルとアブシジン酸は落葉直前に含量が増加した. リノレン酸の離層形成促進活性は, そのヒドロペルオキシドによって発現していることが示唆された.
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