研究分担者 |
松下 松雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (70077593)
藤沢 肇 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60079689)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
川口 三郎 京都大学, 医学部, 助教授 (70024635)
小幡 邦彦 群馬大学, 医学部, 教授 (60013976)
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研究概要 |
1.(水野)ネコの尾状核頭にカイニン酸やキノリン酸などの神経毒を注入すると, 注入部の近傍の線条体ニューロンにおいて, ニューロテンシンやCGRPの免疫活性が新たに発現, または増強した. この現象は, 神経毒を注入するかわりに, 熱凝固によって破壊巣を作った場合には見られなかった. 2.(小幡)C系列ガングリオシドはこれまで哺乳類の神経系には見付っていなかったが, これに対する特異抗体を作り, それを利用して, 哺乳類の神経系にもC系列ガングリオシドが存在することを確認. C系列ガングリオシドは特に発生期の神経細胞に多い. また, 培養細胞の神経成長を促進する. 3.(川口)哺乳類の中枢神経系における軸索の再生を促進する要因を探索した. ネコの上小脳脚交叉を切断し, 切断部へ種々の薬物(5-フルオロデオキシウリジン, アラビノシールシトシン, ノルエピネフリン, P物質, ラミニン, フィブロネクチン)を浸透圧ミニポンプを用いて持続的に注入し, これらの薬物の小脳遠心路の再生におよぼす効果をしらべた. その結果, フィブロネクチンに再生促進効果を認めた. 4.(御子柴)ConA結合性P400に対するモノクローン抗体を作製. P_<400>のプルキン工細胞における発現をしらべた. プルキン工細胞の樹上突起の形成期に一致して著明に発現する. Staggererマウスではこの現象はみられない. 以上より,ConA結合性P_<400>は小脳プルキン工細胞の形態形成に重要な役割を果たしていると考えられる. 5.(藤沢)A5分子に対する単クローン抗体を用いて, アフリカツメガエルの視覚神経路の発生とA5分子の発現との間に密接な関係があることを確認した. すなわち, A5分子の発現開始は視神経の視中枢への進入過程と時間的にも空間的にも一致する. 6.(松下)ネコの中心頸核を破壊して, その小脳皮質における投射野に脳髄からの線維が投射するかどうかをしらべた. 結果はネガティブであった.
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