研究分担者 |
高松 研 慶応大学, 医学部, 講師 (90154898)
二木 宏明 東京大学, 文学部, 教授 (10073074)
酒田 英夫 日本大学, 医学部, 教授 (10073066)
平野 俊二 京都大学, 文学部, 教授 (50046869)
甘利 俊一 東京大学, 工学部, 教授 (80010726)
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研究概要 |
久保田はGO/NO-GO課題の学習成立におけるGABA抑制ニューロンの役割を明らかにするため, 未学習サルと学習サルの弓状野にGABA阻害剤ビククリンを局所注入し, 学習成績に対する効果を調べた. NO-GO反応を持続すること, GO反応をする事が, 出来なくなった. 又, 手の筋反応が誘発されるようになった. 未学習のサルでは, 何の変化も起こらないので, 学習の成立には抑制ニューロンの積極的活動の存在が示唆された. 甘利はシナプス効率をニューロン間の興奮・非興奮の相関で表した自己相関形連想モデルを理論的に導きだした. 平野は継時的非見本合せ課題を遂行中のラットの海馬のニューロン活動の内, 作動記憶関連活動を抽出しつつある. 酒田はサル頭頂連合野で空間記憶に基づいて手の運動を行わせている時, ニューロン活動を解析して, 空間記憶に基づいて行う手の運動に先行するニューロン活動を発見した. 二木はGO/NO-GO課題で手掛り刺激の対に対するニューロン活動が, 未学習から学習成立に至るまでの経過をサルの前頭連合野で解析した. 未学習ではGo刺激とNO-GO刺激に対する反応に差が無いが, 学習成績が90%になると, 刺激に特異的に反応するような分化したニューロン活動が見られるようになった. 学習が成立してから, 刺激と反応の関係を逆転すると, 行動的意味の変換によって, ニューロン活動が変化した. 高松はニワトリで刷り込み学習時に前頭蓋部の一部(MHV)でGABA受容体の結合能の変化をムシモルを使って調べた. 刷り込み刺激の呈示直後, 特異的に結合能の増加を認めた. 抑制ニューロン活動が学習に関与することが示唆された. 岩田は半側空間無視を示す脳損傷患者で瞬間露出光刺激テストや描画テストを行って, 視覚障害と無視の関係を調べたが, 半側無視は体軸の双方で見つかり, 必ずしも体側に限局していなかった. 障害は過去の記憶の中にも体側無視として現れた.
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