研究分担者 |
山野 俊雄 国立循環器センター, 教授 (40028270)
入沢 宏 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (30033947)
野々村 禎昭 東京大学, 医学部, 教授 (80009993)
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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研究概要 |
総括班を中心として, 結成された遺伝子学的アプローチを循環研究に導入する企画は, ほぼ達成された. 即ち, 各計画班内にこの方法利用が盛んとなった. 総括班内では, 中西はラットキニノーゲンがK及びT-I, T-IIの3種類からなり, KとT遺伝子は発現調節及び様式に大差があることを明らかにした. 深沢はAPOEの機能とその生合成の制御機構を解明し, ウサギAPOEのcDNAから一次構造を推定したが, 生体内コレステロールの代謝と動脈硬化症との関連を知る上での重要な所見をえた. 藤井は, ヘム蛋白質であるP-450の一次構造を明らかにし, さらにその遺伝子発現調節機構について研究をつづけている. 鍋島は代表的収縮蛋白の一つであるミオシン軽鎖遺伝子についてニワトリ胚平滑筋より調製したmPNAよりcDNAライブラリーを合成し結果, 骨格筋は心筋のアルカリ軽鎖と約70%のホモロジーをもつことを明らかにした. 野田は3種類のNaチャネル蛋白I, II, IIIについて, 総ての一次構造決定が完成したと報告した. そのうちII型チャネルcDNAからin vitroでmRNAを調成し, アフリカツメガエル卵母細胞に注入することによって, 機能的なNaチャネル分子の発現に成功した. 室田を中心とする細胞培養法による血管系の分化機構のシンポジウムでは, ヒト血管内皮細胞の継代培養法の特徴・細胞特性等の報告が行われた. また血管内皮細胞の増殖促進因子の研究は方法論的に重要であるのみならず循環不全や虚血疾患の治療, 傷創治癒の促進等の臨床応用も考えられるし, 増殖抑制因子はガン移転・ガン増殖制御にも関係のある問題であった. 中村を中心とする実験モデル開発のシンポジウムでは血管炎・血栓症と動脈硬化高脂血症脳梗塞, 心筋梗塞, 冠動脈硬化と攣縮を起こしやすい動物モデルの開発とその意義について討論された.
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