研究概要 |
心理実験により人間の自然言語理解過程を分析した. そのための研究項目の達成状況は以下の通りである. 1)自然言語刺激文の用意:公理体系CN系(1)の3公理(添加, 自己分配, 第4対偶法則)を自然言語に翻訳し, 被験者に対する刺激文とした. 刺激文の数は, それぞれの公理に対して3種類ずつ, 合計9個用意した. 2)解釈過程の記録:刺激文を一人ずつ隔離した状態で被験者(10名)に提示し声を出して解釈(発語思考)および図解させ, その過程をビデオテープに記録した. 3)資料の整理:ビデオテープの記録をもとに解釈過程を音声データは発話状態と休止状態とが明確に区別できるように談話文章として書き取り, 図解は談話文章との関連が理解できる形で整理した. 4)資料の分析:論理定項および命題変項部分に分けて分析した. 定項に関しては, その解釈に論理以外の概念(時間関係など)が付加されていないかどうか, 命題変項部分に相当する自然言語文に関しては動詞や名詞概念の命題間における相互作用(照応関係や因果関係)や用いられている知識に注意を払いながら分析した. 曖昧な個所は当事者との面接を行い明らかにした.
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