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可視光による固体状態の高効率光誘起電荷分離

研究課題

研究課題/領域番号 62213025
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

長村 利彦  九州大学, 総理工, 助教授 (90117200)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードイオン対電荷移動錯体 / 定常的可逆的電荷分離 / 4,4'-ビピリジニウム塩 / 疎水性イボレートアニオン
研究概要

可視光による光誘導起電子移動過程の分子制御をめざして, 本年度は, 4,4'-ビピリジニウムのイオン対電荷移動(CT)錯体のCT励起による定常的可逆的電荷分離を検討した. N,N'-位に種々の置換基(2個のCH_3, C_9F_<13>C_2H_4とC_3H_7など)を有する4,4'-ビピリジニウムを合成し, 対イオンとしてテトラキス3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル1ボレート(TFPB^-)テトラフェニルボレート(TPB^-), ハライド(Br^-, I^-)等を用いて塩を調整した. これらは, I,2-ジメトキシエタンやメタノールなどの有機溶媒中でそれぞれの構成成分にないイオン対電荷移動相互作用による新しい吸収を示した. TFPB^-塩の場合, CTバンドの吸光度は数十時間で平衡値に達した. 平衡状態の吸光度のJobプロットから, MV^<2+>とTFPB^-はメタノール中で1:1の錯体を形成していることがわかった. 吸光度の時間変化は1:1錯体の生成と解離を考えた速度式で説明された. 遅い時間変化は極めて小さい頻度因子に起因することがわかった. TFPB^-の著しい嵩高さのためと思われる.
溶液中でCTバンドのみを光励起するとTFPB^-塩とTPB^-塩では淡黄色から青色に変色し, UV/VIS及びESRスペクトルから4,4'-ビピリジニウムカチオンラジカルの生成が確認された. ハライド塩では全く変化しなかった. 生成4,4'-ビピリジニウムカチオンラジカルはTPB^-では全く減衰しなかったが, TFPB^-塩では20°Cで約25分の寿命で消失し光照射により再び生成した. TFPB^-の嵩高さと化学的安定性のため電荷分離種が準安定状態になるためと思われる. TFPB^-塩でのラジカル生成と減衰は何度でも繰り返し可能であった. TFPB^-塩微結晶中でも同様に定常的可逆的電荷分離がおこり, 寿命は約47時間に増加した. 分子運動の束縛のため電荷分離種間の反応がさらに遅くなったためである. 本研究成果は, 光誘起電荷分離の新しい展開に寄与すると期待され, さらに検討を進める予定である.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Toshihiko Nagamura: Journal of Physical Chemistry. 91. 2019-2021 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshihiko Nagamura: Berichte der Bunsen-Gesellschat f〓CP¨(/)u〓r PhysikalischeChemie. 91. 759-765 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshihiko Nagamura: Chemical Physics Letters. 141. 553-557 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 長村利彦: 日本化学会誌. 2090-2094 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshihiko Nagamura: Journal of Chemical Society,Faraday Transaction I.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshihiko Nagamura: Berichte der Bunsen-Gesellschaft f〓CP¨(/)u〓r Physikalische Chemie. 92. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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