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新しい有機合成試薬としての高原子価モリブデン及びタングステンヒドリド錯体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62215013
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関横浜国立大学

研究代表者

伊藤 卓  横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50016721)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードモリブデン / ヒドリド錯体 / アリルエステル / 光反応 / C-O開裂反応 / C-H活性化 / 三級ホスフィン / 有機遷移金属錯体
研究概要

遷移金属錯体による不飽和エステルの選択的結合開裂反応は有機合成上重要であり, 特にアリルエステルのアリルーO結合の切断を伴う反応は, Pdのどの8族の遷移金属を用いて比較的数多くの研究がなされているが, 6族金属を用いた研究例はそれほど多くはない. 本研究では, テトラヒドリドモリブデン(IV)錯体〔MoH_4(dpe)_2〕1(dpe=Ph_2PCH_2CH_2PPh_2)とアリルエステルなど種々のカルボン酸エステルおよびギ酸エステルの反応を光照射下で行ない, その際の生成物のキャラクタリゼーション及び反応の機構について検討した. 1は各種カルボン酸アリルRCOOCH_2CH=CH_2(R=H, Me, Et, n-Pr, t-Bu, CH_2=C(Me)H, Ph, EtO)とベンゼン中光照射下に室温で反応し, プロペンと水素の副生を伴って相当するヒドリドカルボキシラト錯体〔MoH(O_2CR)(dpe)_2〕2を生成した. 2は二座配位のカルボキシラト配位子を持つ7配位5角量錘型の錯体で, 溶液中では, fluxionalな性質をもつことがIR, NMRスペクトルの測定により明らかとなった. この反応におけるC-O結合開裂の機構についての知見を得るために, 1と種々の酢酸エステルとの反応を行なった. 酢酸α-メタリルでは1-ブテンが, trans-酢酸クロチルではtrans-2-ブテンが主生成物として生ずることから, アリルエステルのMo(II)への直接の酸化的付加によって反応が進行するものと推定した. なお, アリルエステル以外に, ビニルエステルについても二, 三反応を試みたが, これらについても類似の反応が起こり, エチレンの放出が認められた.
また, 1は飽和エステルであるギ酸プロピルと光照射下に反応し, 1-プーパノールとともに数種の既知のモリブデンカルボニル錯体を生成した. この場合には, アリルエステルの場合は異なり, ホルミル基のC-H結合が最初に切断されて反応が進行することを示唆している. 現在, 単座のホスフィン配位錯体について検討を行なっている.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takashi ITO: J.Chem.Soc.,Dalton Trans.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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