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金属イオンを介する分子認識のモデル研究

研究課題

研究課題/領域番号 62216009
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

山内 脩  名古屋大学, 理学部, 教授 (70029643)

研究分担者 小谷 明  名古屋大学, 理学部, 助手 (60143913)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード分子認識 / 芳香環スタッキング / 静電的相互作用 / アミノ酸含有三元銅(II)錯体 / DNAインターカレーター / モノヌクレオチド / 白金(II)錯体 / 安定度定数
研究概要

1.生体系での分子認識が種々の非共有結合性相互作用によってなされることから, 銅-(II)-芳香族ジアミンー芳香族アミノ酸三元錯体における分子内芳香環スタッキングの存在を溶液平衡, スペクトルおよび結晶構造の解析により明らかにした. 三元錯体はスタッキングにより安定化され, 芳香環の面積と置換基に依存して安定化の序列が定まることが判明した. 錯体分子内のジアミンとアミノ酸の芳香環が大きい場合には, 水溶液中で90%以上の割合でスタッキングをした状態にあることが計算により示された.
2.DNAインターカレーターである芳香族ジアミンを配位した白金(II)錯体とモノヌクレオチドとの水溶液中での非共有結合性相互作用にカロリメトリーにより調べ, 白金(II)錯体-モノヌクレオチド会合体の安定度定数を決定した. この結果, AMPなどのモノヌクレオチドの塩基部分と配位した芳香族ジアミンとはスタッキングを起こし, 特にプリン塩基であるアデニン, グアニンについてはスタッキングによる自由エネルギー変化が大きくピリミジン塩基のシトシンでは小さいことが判明した. 水溶液のイオン強度を変化させて測定した安定度定数の比較から, 白金(II)の正電荷とモノヌクレオチドのリン酸部分の負電荷とは静電的相互作用をし, 会合体の安定化に寄与することを見いだした. AMPについて会合体を結晶として単離してX線による構造解析を行い, スタッキングの存在を確かめた.
3.以上の研究から, 金属イオンを仲立ちとした非共有結合性相互作用の存在を示し, 芳香環スタッキングの構造依存性を明らかにした. 生体はこのような弱い相互作用を多く組合せて高度の分子認識を可能にしていると考えられる. 今後, 複数の相互作用部位を有する集積反応場を構築して, 生体における分子認識のメカニズムを追究したい.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山内 脩: J.Pharmacobio-Dyn.10. S-5 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 小谷 明: 日本化学会誌. 1987. 336-344 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 増田 秀樹: Inorg.Chim.Acta. 136. L29-L31 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 山内 脩: Rec.Trav.Chim.Pays-Bas. 106. 196-197 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 山内 脩: 日本化学会誌. 1988. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 増田 秀樹: 日本化学会誌. 1988. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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