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矮性形質発現機構における細胞壁と水ポテンシャルの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62219006
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

桜井 直樹  広島大学, 総合科学部, 助手 (90136010)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード水ポテンシャル / 細胞壁 / オオムギ / 矮性 / 生長 / 浸透圧
研究概要

細胞の吸水力を探るため, 前年度開発した遠心法により, 矮性オオムギ品種渦赤神力と正常品種並赤神力の子葉鞘から細胞壁外と細胞内溶液を別々にとり, その浸透圧を蒸気圧浸透圧計で測定した. 並, 渦赤神力とも播種後3日目に最大生長速度に達っし, 4日目以後で最終生長量に達っするが, 渦は並のいずれも約1/2である. 細胞内, 細胞外溶液の浸透圧は, 並, 渦でそれぞれ差があったが, 細胞の吸水力に直接関与すると考えられる細胞内外の浸透圧差には, いずれの生長段階でも両者に差がなかった. このことから, 細胞内外の浸透圧差で渦赤神力の矮性形質が説明できないことを示している.
並, 渦子葉鞘の細胞壁の力学的性質を応力緩和法で測定したが, 生長速度に最も差のでる播種後3日目で両者に顕著な差が表われなかった.
子葉鞘切片から遠心力をかけ細胞外溶液をとり出す時, 渦, 並赤神力で溶液の出てくる遠心力(限界遠心力)に差のあることが認められた. 細胞外溶液は, かける遠心力を増大させると, ほぼ直線的に増加した. 並, 渦の生長速度に最も差のある播種後3日目で, 限界遠心力は並の方が渦よりも低く, 生長速度の大きい正常品種では, 細胞壁に貯えられている水が, 矮性品種よりも容易に移動する可能性が示された. 細胞壁に貯えられている水が毛管内に存在すると仮定すれば, 細胞壁の水ポテンシャル(マトリックポテンシャル)は, P=l・ρ・z・980αyn/cm^2で計算できる(l, 切片長;ρ, 溶液密度;z, 限界遠心力). この値は並で5.2〜2.9bar, 渦で7.1〜3.9barにものぼり, ほぼ細胞内外の浸透圧差に匹敵することがわかった.
マトリックポテンシャルの正確な測定法はまだ開発されておらず, 本研究で開発された遠心法が, この測定法の有力な候補として考えられ, 渦赤神力のマトリックポテンシャルの低いことが, その矮性形質の一因となっている可能性が示された.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kuraishi,S.;Ohara,T.and Sakurai,N.: Plant & Cell Physiology. 28. 1033-1041 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Sakurai,N;Tanaka,S.and Kuraishi,S.: Plant & Cell Physiology. 28. 1051-1058 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Sakurai,N.;Tanaka,S.and Kuraishi,S.: Plant & Cell Physiology.28. 1059-1070 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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