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蛋白質の準安定構造の生成とその機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 62220009
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

猪飼 篤  東京大学, 理学部, 助教授 (50011713)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード蛋白質の構造 / 複合酵素 / 脂肪酸合成酵素 / 準安定状態 / バイオテクノロジー
研究概要

複合酵素として最も高いレベルの分子構築を持つ動物脂肪酸合成酵素を精製し, その構造形成, 生理条件下での安定性, 分子内で競合しあう複数個の活性中心間の機能的な干渉性, 溶媒の流体力学的な粘性が酵素反応に与える影響の解析をもとにした分子内部での構造変化等について研究を進め, 表記の準安定構造形成の意味とその生理条件での寿命等について考案した.
まずその立体構造は, 二つの大きな穴をもつ長方形(150〓×250〓)で厚さは約70〓である. 二つの穴は脂肪酸を合成する活性センターの中心に位置するものと考えられる. この二つの活性センターはそれぞれ7種のたんぱく質からなることがわかっているので, 穴のまわりに7種のたんぱく質が並んでいる筈である. 二つのセンターは並んで機能している時にはお互いに相手の活性を邪念しあっており, フリッフ, フロップ的に働いていることがわかった. また, 脂肪酸合成酵素の活性は溶媒の粘度の影響をつよくうけることから, 律連段階にはかなり大きいドメイン単位の分子構造の変化がかかわっている事が推定された. このような分子構造の変化が, 二つの活性センターで同時におこることが妨げられていると考えれば, フリップ, フロップ機構が理解できる. このような立体構造は実は生理条件下で常に失活をしてゆく, 準安定な構造のように考えられる. このことは, 酵素を低温で単量体に解離させ, 再び常温で活性な二量体として回収する実験の温度依存性から知ることができたが, 実際動物の体内での酵素の寿命がどのくらいであるかを調べている. 分子工場ともよべる高度に結合された複合酵素は今后のバイオテクノロジーで有用な複合バイオ素子を作り出してゆくのに大変よい見本となる. 今后この酵素の機能の改変をプロテノンエンジニアリングの目標として取り組む予定である.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Stsushi Ikai,Masaaki Nishigai,Toshiya Osada,H.Arakawa & M.Kikuchi: Journal of Protein Chemistry. 6. 81-93 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yuka Giga,Atsushi Ikai,& Kenji Takahashi: Journal of BiologicalK Chemistry. 262. 6197-6203 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Muto,H.Arakawa,A.Ikai & Y.Arata: Protides of the Biological Fluids. 35. 441-448 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Nobuhiro Morishima & Atsushiikai: Journal of Biochemistry. 102. 1451-1457 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshiya Osada,Takuji Sasaki & Atsushi Ikai: Journal of Biochemistry. 103. 212-217 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Atsushi Ikai,Toshiya Osada &Masaaki Nishigai: Journal of Biochemistry. 103. 218-224 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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