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X線溶液散乱法による蛋白質分子の動的構造研究

研究課題

研究課題/領域番号 62220021
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 信夫  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (50032024)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードX線小角散乱 / X線溶液散乱 / 蛋白質分子の動的構造変化 / 時分割測定 / アルドラーゼ
研究概要

昭和62年度は, 主としてウサギの筋肉から抽出精製したアルドラーゼ分子の動的構造について研究を行った.
アルドラーゼは生理的条件下で四つのサブユニットから成る四量体として存在し, その触媒機能をはたす. このサブユニット構造は機能発現に大きな役割をはたしPH変化にともなう触媒活性の低下はその構造変化と深くかかわりあっている. 昨年度の研究ではこのサブユニット構造がPHの低下に伴って変化しPH=2.7では単量体として存在することが示唆された. 本年度はこのPH変化に伴う構造変化を時分割X線小角散乱法を用いて解析した.
測定は高エネルギー物理学研究所放射光実験施設の酵素回折計を使って行った. frame2秒の時分割で30frameにわたる反応を追跡して散乱強度を測定した. また, データの精度を向上させるために上記反応過程を10回繰り返し測定し積算した(測定温度10°C).
その結果, アルドラーゼ分子の慣性半径Rgおよび分子量に対応する原点強度の対数lnI(0)は反応開始後大きく減少した. これらの減少は次第に小さくなり50秒後には反応の終了を示唆する一定の値に達した. 昨年度の研究結果からこれらの値は単量体のパラメーターに相当している.
次に得られたパラメーターを使って, 反応速度論な考察を行った. 小角散乱の解析から求まる分子の体積変化から解離度を見積り種々の反応過程をシュミレートした. その結果, A→nBの反応でn=4の場合実測データをよく満足した. 従って, PH2.7へのPH変化では四量体が単量体に解離することが確認された. また, この反応の速度定数は光散乱法, けい光法より得られた値とよく一致した. このように, 強力なX線源を用いることによって分子の構造に関する情報のみならず速度論的パラメーターも得られX線溶液散乱法の新しい側面を見い出すことができた.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] C,Katagiri et.al: J.Biol.Chem.26. 15857-15861 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] M.Sato et.al: Photon Factory Activity Report. 5. (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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