研究概要 |
スピルリナ, 水前寺のり, スギナ及び好塩菌の[2Fe-2S]フェレドキシンの結晶構造解析を進めそれぞれ以下に述べる段階に致った. スピルリナのフェレドキシンについては2.5〓分解能でHendv,cksortの精密化法によって構造の精密化を行いR値0.33を得た. 現在吸収補正をやり直し, さらに精密化を行っている. 水前寺のりのフェレドキシンについては2〓分解能で束縛条件下で精密化を行いR値が28%にまでなった. マイコンを使ったモデルフィッテイングを組み合わせて現在精密化を進めている. スギナのフェレドキシンについては, バイフット差のパターソン関数法によって, 活性中心の位置を決めた. この位置を固定して, 8〓分解能で分子置換法によって, 可能な分子配向を10ケ所程ひろい出した. このうちの数種の分子配向は結晶中での可能なパッキングの様子を示した. さらにそれぞれについてバイフット差のフーリエ合成を行い, ただ一つ活性中心位置にピークを生じる分子配向を決めることができた. 即ち唯一の解が得られ正しい結晶構造が求まった. 現在これを初期値にして2.8〓分解能で束縛条件下で精密下を行っている. 好塩菌のフェレドキシンについては, 同型置換体の重原子位置が対称中心の関係にあるために得られた位相が対称中心をもつ構造を反映している. そのために正しい構造が得られなかった. これを異常散乱及び部分構造の情報を入れることによって解決を計ったところ, 対称中心をもつにせの構造が消えた. 現在この電子密度図に基づいてモデルを作成している.
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