研究課題/領域番号 |
62300003
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
掛谷 誠 弘前大学, 人文学部, 教授 (30020142)
|
研究分担者 |
牧田 肇 弘前大学, 教養部, 教授 (80004464)
池上 良正 弘前大学, 人文学部, 教授 (60122925)
北畠 能房 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (20109896)
糸賀 黎 筑波大学, 農林学系, 助教授 (40114037)
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10111361)
中村 徹 筑波大学, 農林学系, 講師 (60015881)
北村 光二 弘前大学, 人文学部, 助教授 (20161490)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1987年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
キーワード | 白神山地 / ブナ帯 / 基層文化 / 生態史 / 地すべり地形 / マタギの村 / 青秋林道問題 / 基層分化 / 崩壊地形 / マタギ村 / 豪雪地帯 |
研究概要 |
1)白神山地の自然環境の特性を、とくに地質・地形条件と植生との相互関係に留意した視点から正確に把握し、 2)その自然のもとで展開した地域社会の生活内容を、生業構造の歴史的変遷を主軸として追求することによって、 3)白神山地のブナ帯域を舞台とした自然と人間との関わりあいを、とくにここ100年間に焦点を合わせつつ、生態史的に明らかにした。 現在の白神山地は、100万年単位から数年単位までのタイム・スケ-ルを異にする隆起・浸食(地すべり・崩壊・雪崩・堆積)の複合的な累積体であり、複雑で多様な地形的特質を示す。このような地形条件は植生分布と密接に結びついており、ほぼ一万年の歴史的深度をもつブナ林を主体としつつ、特殊な種を含む多様な植物相と植物群落が分布している実態が明らかになった。このような自然を背景とした白神山地周辺域の町村では、山-川(海)-耕地の生態環境が保証する自給性を基礎としつつ、より強く外部経済と結びついた自然資源利用の形態と鉱山資源の開発の有無によって、それぞれの地域社会の独自性が保持されてきた。そして、自然資源に依存した多彩な生業の複合性と、生業-生態環境のセットのもつシステム性がそれぞれの地域社会に自律性を与えてきた。これらの町村にとって高度経済成長期以後の近代化は、地域の持つシステム性・自律性・独自性を放棄して、外部の経済に従属してゆくプロセスであった。青秋林道の建設問題は、このようなプロセスの一つの帰結であった。その詳細な実態を、自然と生活の生態史や、ブナ林の経済学・自然保護論など多面的なアプロ-チによって明らかにし、一冊の報告書としてまとめた。
|