研究課題/領域番号 |
62301004
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
印度哲学
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
竹田 暢典 (1989) 大正大学, 仏教学部, 教授 (60054615)
塩入 良道 (1987-1988) 大正大学, 綜合仏教研究所, 教授 (60054607)
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研究分担者 |
池田 魯参 (池田 魯參 / 小池 魯参) 駒沢大学, 仏教学部, 教授 (40052526)
古田 和弘 大谷大学, 文学部, 教授 (80081967)
浅田 正博 龍谷大学, 短期大学部, 助教授 (20159370)
庵谷 行亨 立正大学, 仏教学部, 助教授 (90103168)
密波羅 鳳洲 高野山大学, 文学部, 教授 (80086040)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1987年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 三乗真実・法華権教 / 中古天台 / 慧心檀那両流 / 円戒 / 大乗戒檀 / 胎藏界 / 金剛界 / 理事倶密 / 日本撰述天台関係典籍 / 学術用語 / 台密 / 胎蔵界 / 曼茶羅 / 菩薩戒 / 曼荼羅 |
研究概要 |
本研究は大正新脩大蔵経巻74・75所収の日本撰述天台関係典籍、すなわち経典番号No.2361〜2397の諸典籍について総合的・基礎的研究をおこなうものである。まず『願文』とは最澄が真摯な告白と求道心を吐露した名文で、五ヶ條の誓願がその中心である。さらにその五ヶ條は第一願、大根相似の人格の完成に帰一するといえる。『守護国界章』とは最澄が三乗真実・法華権教をとく法相宗徳一の説を反駁した著作である。現存する徳一の著作が少いため、研究に限界があるものの、本書に引用する徳一の遺文を復元した結果、ある程度論争の真実の姿を推定できるようになった。『漢光類聚』とは従来忠尋作と伝え、中古天台彗慧心檀那両流の起源・由来・思想上の相違をとく最古の文献である。本書に忠尋以後の、永心・皇覚・静明等の説の引用が確認できたため、本書の撰者は忠尋から五代目の法孫、静明、またはそれ以後の人師と結論づけることができた。『顕場大戒論』『普通授菩薩戒広釈』とはともに初期日本天台円戒思想に関する、数少い著作である。前者は最澄による大乗戒檀独立の主張を、円仁が顕揚したものであり、後者は安然が密教思想にもとづき円戒を解釈したものである。『胎蔵界虚心記』『胎蔵界大法対受記』『金剛界大法対受記』とは円仁、または安然が台密胎蔵界の儀軌を集大成したものである。この三書の研究によって円仁から安然にいたる、台密の相承・伝法の形態が明確になった。『真言宗教時義』とは安然が台密教判の骨格を完成した著作である。天台宗の密教は最澄が釈迦大日如来一体をとなえ、円仁・円診が理事倶密をとき、安然にいたって四一十門の教判をたて、一大円教論を高揚し、ここに台密教判論は確立するにいたったのである。
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