研究課題/領域番号 |
62301010
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神林 恒道 大阪大学, 文学部, 助教授 (80089862)
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研究分担者 |
三浦 信一郎 帝塚山学院大学, 文学部, 助教授 (50122148)
岩城 見一 京都芸術大学, 美術学部, 助教授 (40025086)
太田 喬夫 大手前女子大学, 文学部, 助教授 (30098230)
井口 正俊 西南学院大学, 文学部, 助教授 (00148850)
石田 正 大阪大学, 文学部, 教授 (20046361)
岡林 洋 大阪芸術大学, 文芸学部, 講師 (80185462)
山口 和子 岡山大学, 文学部, 助教授 (90093476)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | モダン / ポスト・モダン / 解釈学 / 表現主義 / 風景 / 偶然性 / 大衆 / フランクフルト学派 / 映像学 / 音楽学 / 演劇学 / ビデオ / メディア / 大衆化 / イヴェント / 近代 / 模倣と引用 |
研究概要 |
本研究の最終的な成果を次の四つのグループに分けて要約する。 1.モダン・アートの根としての19、20世紀初頭の芸術状況と理論の展開-シュライエルマヘルの解釈学の再検討とガダマーらの視点に通底する近代性の抽出(山口)、表現主義の革新への志向と近代化への反発、その中での前近代への接近という問題の考察(大森)。 2.作品の様態としての近代的特質の分析-風景画の近代性と、その終焉以後の芸術と自然の関係の究明(石田)、かつての芸術の客観性の喪失後における、近代芸術の在り方をデュシャンらのいわゆる反芸術を例に、実体を無化するフモール運動のうちに特質づけようとする試み(岩城)、現代芸術の特質としての偶然性の意味を、日本の伝統的な土の造形を例にして考察(出川)。 3.ポスト・モダン的状況についての歴史的視点からの分析と反省-アヴァンギャルド絵画の停滞状況に即して(浜田)、様式の引用として展開しつつあるポスト・モダン建築を例に(岡林)、文学においては「読むこと」の意義の中に(上倉)、環境音楽等70年代以降の開かれた音楽観について(三浦)、大衆の感性に重要な影響を及ぼしてきた電子的メデイアの意義を尋ねるうちに(吉積)、この問題を追求した。 4.変貌する社会と芸術の新たな関わりについての批判的考察-合理性と支配が結びつく現代社会のアポリアを、芸術の仮象性の持つ「否定的なもの」によって解消しようとしたアドルノら、フランクフルト学派の美学の分析(井口・太田)。現代の混迷した芸術の状況への、大衆文化に基盤を置くところの「新しい神話」の可能性についての提言(神林)。 如上のように各研究分担者の視点は実にさまざまであり、また20世紀末に向けて現代の芸術の動きはまだまだ流動的である。早急に結論に至るのではなく、このテーマについては更に深まった討議が今後も続けられる必要が感じられる。
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