研究課題/領域番号 |
62301015
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉本 助男 広島大学, 総合科学部, 教授 (60023644)
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研究分担者 |
安東 潔 実験動物中央研究所, 精神薬理部, 部長 (90072404)
木田 光郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80023654)
藤 健一 立命館大学, 文学部, 助教授 (20097885)
浅野 俊夫 愛知大学, 教養部, 教授 (30027487)
今田 寛 関西学院大学, 文学部, 教授 (60079613)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 長期終日実験 / 行動分析 / 行動経済学 / 行動生態学 / 時間生物学・行動薬理学 / 時間生物学 / 採餌行動 / 予期的摂食行動 / 行動薬理学 / 嫌悪刺激の予測性 |
研究概要 |
従来動物や人間を被験体とした実験心理学的研究は、そおほとんどが1日のある時間帯だけ被験体を抱束することによって行なわれてきた。この方法にはいくつかの問題点があるという視点に立ち、本研究では1日24時間の連続実験の結果から従来の短期実験の結果を見直し、長期終日実験の意義を行動生態学的・行動経済学的アプローチ、時間生物学的アプローチ及び行動薬理学的アプローチから検討した。生体のさまざまな行動の発現は、その前後数日にわたる生体と環境とのかかわりによって大きく影響を受けることが行動経済学的、行動生態学的長期実験及び観察から指摘された。特に短期実験では摂食行動に関する重要な独立変数や従属変数を欠いていたために長期実験とは異なる結果がもたらされたことが示唆された。また、ストレス場面への個体の適応行動に関しては、両実験間で全く相反する事実が見出された。ストレス刺激の到来の予測が不可能な条件では短期実験の場合に嫌悪性が大きく、予測可能な条件では逆に長期実験の場合に嫌悪性とその残存効果が大きいという知見が得られ、両実験がもたらす生体の動機づけの違いが指摘された。時間生物学的観点からは、生体は概日リズムをもち、そのリズムは動物の行動活性に大きな影響をもつために時間帯によって行動の発現様態が異なり、従って一定時間帯による行動研究からでは包括的、普遍的行動理解につながらないことが指摘された。また、摂食可能時間や昼・夜の時間の長短が行動研究における重要な独立変数になることが実験的に示された。行動薬理学的アプローチでは、薬物の自己投与行動は24時間の長期観察によって始めて薬物の長期効果や依存性、精神毒性などの全体像がとらえられること、また、メチル水銀を用いた行動中毒学的動物実験からも終日実験特有の行動上の測度が得られた
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