研究課題/領域番号 |
62301018
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
橋本 仁司 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60063319)
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研究分担者 |
林 春男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20164949)
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50155131)
井上 勝也 東京都老人総合研究所, 心理精神医学部心理研究室, 室長 (30081706)
木下 敏 ウィル, 常勤顧問
東 清和 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063560)
KINOSHITA Satoshi We'LL Inc.
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 都市化 / 組織 / 老人 / 高齢者 / コミュニテイ / インテリジェント・コミュニティ / 女性問題 / 人間関係 / ライフスタイル / コミュニティ / 社会心理学 / 都市生活 / 高齢者問題 / 地域社会 / 職場 |
研究概要 |
われわれの研究グループは、昭和62年度、昭和63年度の2年間にわたり、女性問題、高齢者問題、組織職場問題、地域社会問題、インテリジェント・コミュニティ問題など多様な社会的コンテクストにおいて都市住民の"きずな"の在り方とそのダイナミックスに多角的な検討を加えてきた。その成果を要約すると概ね次のように整理することができる。 1.社会の在り方の変化につれて人間関係観も変化する。都市化の進展もまた新しい人間関係観を生んだ。2.都市化の進展はそれまで未分化だった人間関係の在り方を構造的、範疇的、全人格的の3種の人間関係へと分化させた。構造的とは組織のような構造化された場面での役割関係、範疇的関係は構造化されない場面でのステレオタイプ的認知に基づく関係を指し、いずれも課題達成に関わる功利的で合理的な人間関係であるのに対して、全人格的関係はいわゆる親密な関係のことで情義的、自己実現的な人間関係のことである。3.旧来の地縁や血縁を中心とした村落的人間関係は固定のメンバー相互に結ばれており、それゆえ人間関係そのものは所与であった。一方、都市化の進展は生活の個人化と社会化を生み、その結果として範疇的人間関係の比重を増大させ、同時に構造的関係と全人格的関係の文節化を促進した。都市における人間関係の希薄化がその帰結のひとつである。4.このような傾向の中で、「都会人は冷たく打算的である」という一般的な印象が形成された。しかし、実際には分化し複雑化した人間関係をたくみに使い分け、都市環境の中で快適な生活をおくる新しいタイプの都会人あるいは都会型のライフスタイルが生まれている。5.一方、都市化社会においては旧来からの家制度は崩壊の過程をたどっているものの、全人格的関係の依り所としての家族への役割期待は増大しつつあると考えられる。この点については、なお今後の検討が待たれるところである。
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