研究課題/領域番号 |
62301074
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済事情・政策学
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
劉 進慶 東京経済大学, 経済学部・教授, 学部長 (30096458)
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研究分担者 |
村岡 輝三 新潟大学, 経済学部, 教授 (60089977)
隅谷 三喜男 President of the Council for Social Welfare System (80012095)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | NIEs / 資本主義的発展 / 人的資源 / 輸出指向的中小企業 / 官業独占体制 / 日米経済関係 / 外貨保有過剰 / 高蓄積低投資 / 半周辺 / サブシステム / 産業資本 / 華僑資本的性格 / 海外投資 / 産業の空洞化 / ニックス(NICs) / 輸出指向工業化 / 労働集約型産業 / 低賃金労働 / 対日米三環循環構造 / 国家資本主義経済 / 官営企業 / 企業集団 |
研究概要 |
二年度にわたる研究の成果を要約すると、つぎの通りである。 1.台湾経済発展の本質は資本主義的発展である。したがってアジアNIEsとは、日本のあとに資本主義的発展をとげ、それに成功しつつある地域であるといいかえられる。 2.台湾がNIEsとして発展できた条件は、第一にその歴史的社会的経済段階の基礎をもっていること、第二に豊かな人的資源をもつ点である。この点は多くの低賃金労働をもつという意味ではなく、主として高いレベルの教育が普及していることのほかに、人びとの営利的行為に対する積極的態度であり、そこから生まれる独特の経済活力を指す。第三に戦後東アジアに特有の地政学的、政治的要因と社会変動、国際環境の有利性および開発政策の適合性などがあげられる。 3.これらの要因を背景にして、途上国では概して停滞している中小企業が、家族的経営を中心に、輸出を指向して発展している。しかし一方で、大企業または巨大企業に発展しにくい事情がある。それは膨大な官営企業および官営金融機関の存在である。およそほとんどの基幹産業と主要金融機関が官営であり、この官業独占体制が台湾資本主義の一層の発展を阻害している。 4.対外的には、台湾経済は日米両国経済との緊密な関係なしには発展しない構造になっている。資本、技術、市場を大きく日米に依存しており、これからもこの関係を維持していかざるをえない。 5.近年、外貨保有高過剰、元高、金余り、インフレ、そして労働組合運動、環境公害反対運動の激化等の諸問題に当面している。したがって高蓄積低投資→海外投資プレッシャー→産業高度化不調の矛盾を抱えている。
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