研究課題/領域番号 |
62301084
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
交通工学・国土計画
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
樋口 忠彦 新潟大学, 工学部, 助教授 (00016669)
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研究分担者 |
笹谷 康之 茨城大学, 工学部, 助手 (90170703)
窪田 陽一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50134333)
北村 真一 (北村 眞一) 山梨大学, 工学部, 助教授 (80143676)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 地名 / 名山・聖山 / 山岳景観 / 山岳の土地利用と空間構成 / スカイライン / フラクタル次元 / 生息適地 / 山の景観 / 名山 / 聖山 / 交歌 / 地形透視図 |
研究概要 |
山岳の景観分析の結果、以下の諸点が明らかになった。 (1)国、浅間山、嶽島に関して内と外からの眺望体験をモデル化した。国はヴォイドな空間のまとまり、浅間山は広域のランドマーク、嶽は国を囲む山並で修験の場、島ランドマークで外洋を眺望する場である。 (2)人々は地名から山岳の地形環境を読み取り、活用し、歴史を刻印する地名を与えてきた。特徴的な山名を与えられた地形は、人々の集団的な認識の隠れた表象であり、文化財である。 (3)小地名は、住民の生活と密接に関わって使われてきた。各種小地名の語録の頻度がわかり、命名の基準となる語源環境の差異がわかった。農村における人々に認識されてきた山地形の環境が明らかになった。伝統的な環境認識を分析するうえで小字が有効な指標であることがわかった。 (4)神体山を3タイプ(神奈備型、修験霊型、浅間型)に分類し、地形的特徴、外部から山を見た時の景観(山容)、山の中山の周辺の空間構成(社寺、集落との関係)、利用形態(保存型、レジャー活用型、信仰活用型)が明らかになった。 (5)名山の代表的な山岳を対象として山岳の視覚的影響圏のモデルを設定し、数値地形情報と中学校の校歌を用いた分析により、影響圏域を具体的に(山麓、仰観域、眺望域)示し、影響圏の変動の要因について明らかにした。 (6)山岳の景観の特徴を最も良く表すスカイラインの形状の分析を、フラクタル次元を用いた近似手法により行った。スカイラインの複雑さをフラクラル次元を用いたスカラー量で表現することは、ある範囲を限定すれば適用可能である。フラクタル理論を拡張したマルチフラクタルや、ウタル次元を用いたスカラー量で考慮することが期待できる。 (7)名山、聖山と生息適地の地形との関連性の考察から、山岳寺院の配置にその類似性が読み取れる。すなわち山を北に、水を得ることができ、日当たりの良い場所に立地する。
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