研究課題/領域番号 |
62302009
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉本 大一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (10022592)
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研究分担者 |
稲垣 省五 京都大学, 理学部, 助手 (80115790)
西田 実継 神戸女子大学, 文学部, 助教授 (60164563)
富田 憲二 広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (90034610)
土佐 誠 東北大学, 理学部, 助教授 (50022728)
宮本 昌典 国立天文台, 教授 (30012850)
家 正則 東京大学, 東京天文台, 助教授 (30111446)
岡村 定矩 東京大学, 東京天文台, 助教授 (20114423)
藤本 光昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022580)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 恒星系 / 自己重力 / 銀河 / 銀河団 / 宇宙の大域構造 / 非線形 / 非平衡 |
研究概要 |
この総合研究の目的は、球状星団、円盤銀河、銀河団の力学的進化、楕円銀河や宇宙の構造の成因の解明といった問題を、自己重力系という統一的見方でとらえ、さらにそこから発展させるべき新しい方向を探るというものであった。それぞれの分野で進められた研究を統合し、自己重力系における形態形成とその進化という観点にまとめるために、ワーク・ショップ、研究会を開催した。 まず、問題を解くための様々な手法的として、Langevin方程式、N体問題、Fokker-Planck方程式、Collisionless Boltzmann方程式、ガス近似などが有用なことがわかった。特に、N体計算は基本的には近似を含まないため、相関やゆらぎの効果まで考慮することができ、遠達相互作用のもとにある自己重力系の進化・発展を研究するのに有力であることが判明した。N体計算は計算時間が超大で、多数の粒子を扱えなかったことが欠点であったが、N体計算専用の計算機を設計すればその難点は回避できることがわかった。研究会では、N体計算専用の計算機のプロトタイプが提案された。 また、運動の積分(特に第三積分)、波と星の相互作用、ゆらぎの役割、gravothennal/gyro instabilityなどといった今まで知られていた概念とともに、geodesic deviation、リアプノフ指数、カオス、cafastrople fheoly f(N)といった新しい概念も有効であることが分かった。 この二年間に新しく判明したのは、回転している球状星団や二重球状星団の進化である。また、大きく理解の進んだ分野としては、宇宙の大規模構造の解明がある。ある体積中にN個の銀河が存在する確立分布であるf(N)は、宇宙の大規模構造を記述するのに有効で、N体実験の結果は、初期条件がポアッソン分布のときは、熱力学理論とよく合うことが確かめられた。
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