研究課題/領域番号 |
62304003
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 博嗣 九州大学, 理学部, 教授 (10027336)
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研究分担者 |
河野 昭一 京都大学, 理学部, 教授 (30019244)
阿部 琢哉 (安部 琢哉) 京都大学, 理学部, 助教授 (00045030)
川那部 浩哉 京都大学, 理学部, 教授 (60025286)
日高 敏隆 京都大学, 理学部, 教授 (70014892)
小野 勇一 九州大学, 理学部, 教授 (60037166)
巌佐 庸 九州大学, 理学部, 助手 (70176535)
山村 則男 佐賀医科大学, 一般教育, 助教授 (70124815)
石井 一成 名古屋大学, 教養部, 助教授 (00037285)
高畑 由起夫 京都大学, 理学部, 助手 (90183061)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1988年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1987年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 性差 / 進化生態学 / 性表現 / 遺伝機構 / 単為生殖 / 性 / 父系・母系社会 / 植物の性表現 / 内交配・外交配 / 社会性と性差 / 一夫多妻か一夫一妻か / 子殺しの進化 |
研究概要 |
性による差異は、子の保護・性行動・移動定住性・利他行動などに広く見られるが、これらの実態を広範囲の生物群にわたって統一的に把握するとともに、植物を含めての多様な性表現の進化的起源を、比較生態学および数理モデル的研究によって追研することが、この研究の目的であった。霊長類・哺乳類・鳥類・魚類・昆虫から植物までを含む広範囲の対象生物について性差の起源に強い関心をもつ広い分野の生態学者・行動学者と数理生態学者が密接な研究連絡を取ることによって、総合的な研究を進めようとした。 4回の研究集会、および伊藤班との合同の公開講演会を通じて、異なる分野の研究者の間に交流が生まれたことは今後の発展に大変有意義であった。また、班外から遺伝学・生理学など他分野の方々を招いて、勉強会とした。 進化生態学理論的立場からすると、性をめぐる諸問題には、雌雄で行動上にどのように差異が進化するかという問題に加えて、有性生殖をする個体がそれぞれにオスとメスに専業するのか同時に兼業するのか、性が転換するのか、遺伝的に決まるのか環境で変わるのかといった性表現の進化、さらには繁殖において異なる個体の遺伝形質を混ぜて次世代を生産するという有性生殖そのものの意義という未解決の難題、などが重層的に含まれている。このように生態学の中心課題のひとつである性の問題のすべてを2年間という限られた期間で解決してしまうことは無理であろう。別に出版する各分担者の報告にもあるように、多数の具体的な成果も上がってきた。が、なによりも、問題のいくつかを特定できたこと、異なる対象生物に共通な研究課題が存在することが明らかになったことは、この総合研究の大きな成果である。今後はこの総合研究で得られた研究者のネットワークを、生態学に留どまらず、遺伝学・心理学・人類学など、関連する諸分野にも広げていくことが望ましい。
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