研究課題/領域番号 |
62304011
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高柳 洋吉 東北大学, 理学部, 教授 (70004299)
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研究分担者 |
氏家 宏 琉球大学, 理学部, 教授 (60000113)
石井 健一 神戸大学, 教養部, 教授 (40046800)
石崎 国煕 東北大学, 理学部, 助教授 (90004316)
的場 保望 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (30006663)
斎藤 常正 (斉藤 常正) 山形大学, 理学部, 教授 (90111335)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1988年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1987年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 有孔虫 / 日本列島 / 古生代-新生代 / フォーナの起源 / 古生物地理区 / 日本列島の化石有孔虫 |
研究概要 |
本研究では、北西太平洋の一角を占める日本列島およびその周辺海域において、有孔虫類が古生代より現世に至るまでたどってきた変遷の様相を総合的に追及し、その進化系統を明かにし、それぞれの時代のフォーナの生物地理学的評価を行うことを目指した。2か年にわたる研究期間中に、研究集会を2回仙台において開催し、初年度には古生代-新生代の大型・小型有孔虫の各分野の専攻研究者による総合的レビューと討論、第2年度には地質時代別の研究グループによる調査検討の中間報告と討論を行った。またこの間に学会の小集会を利用し、研究連絡にも努めた。これら研究集会の発表内容は研究連絡誌「有孔虫研究」Nos.12に収録、公表した。さらに、分担者による研究結果は論集して「論集:日本列島の有孔虫」にまとめた。 本研究を通じて明かになってきた有孔虫フォーナの変遷史を要約する。日本列島では最古の記録は中部シルル系まで遡れる。次のデヴオン紀の記録はなく、石炭紀-ペルム紀にフズリナ類が量産する。これらは古太平洋低緯度域に生息し、堆積して石炭岩を形成したが、その後のプレートの運動により運搬され、日本列島に付加された化石群集である。中生代の三畳紀・ジュラ紀についてはわずか記録があるものの未解明である。白亜紀には適応放散して多彩化したが、生物地理区上の位置はまだ明かでない。相当数の白亜紀の底生種が第三紀まで生き残ったが、中期始新世には後期古第三紀の北太平洋区のフォーナが入れ替わり漸新世まで存続していたが、また中新世初頭に新興のグループと交代した。初期中新世/中期中新世境界期付近を頂点に黒潮系フォーナの北進があり、続いて親潮系のフォーナの南下があって、両者のきっ抗関係が生まれ、これによりほぼ現在の日本列島周辺海域における分布パターンの骨格ができあがった。
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