研究課題/領域番号 |
62304017
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
向山 文雄 東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (80014934)
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研究分担者 |
浜野 国勝 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60015089)
福原 敏彦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011880)
岩成 義才 東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (40014899)
伊藤 智夫 関東短期大学, 教授 (50168358)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カイコ / 人工飼料 / 飼料効率 / ビタミンB6 / 呼吸商 / 脱皮 / エクジステロイド / カイコ人工飼料飼料効率 |
研究概要 |
カイコが人工飼料を摂食し、消化吸収し、脱皮を繰り返して成長し、変態を遂げて繭を形作るまでの一連の過程において飼料組成と窒素の利用効率との関連を追求した。 飼料のタンパク質並びにビタミンB6のレベルとカイコの成長並びに窒素利用効率との関連について研究し、タンパク質の多い飼料ではB6が多いほど成長も良く、飼料B6量がカイコ体液のアミノ酸プ-ルや体液タンパク質の泳動バンドに影響を与え、飼料のタンパク質レベルに適した量のB6を与えることによって、飼料効率が高まり、消化吸収されたタンパク質が体組織よりも繭に転換する率を高めること、すなわち、繭生産を増すことを明らかにした。 飼料タンパク質の最適レベルについて検討する過程において、飼料の消化量と脱皮及び体液のエクジステロイド濃度とを比較したところ、脱皮は飼料全体の消化量よりも飼料タンパク質の消化量との関連が深いことがわかった。実験に用いた実用交雑種の4齢では、18mgのタンパク質を消化すると体液エクジステロイド濃度が上昇し、19mg消化すると脱皮できることを明らかにした。すなわち、カイコが幼虫に脱皮するとき、あるいは蛹に脱皮するために必要な最小限の飼料タンパク質濃度と飼料タンパク質の消化量を明らかにすることができた。 消化吸収された飼料成分と呼吸との関係について検討し、摂取した栄養の量と呼吸商並びに非タンパク質呼吸商とを比較し、呼吸基質として消費される蛋白質、脂質及び炭水化物の比を明らかにした。実験に用いた実用交雑種の4齢幼虫において、呼吸基質として燃焼される物質の比はおよそ炭水化物70:脂質20:タンパク質10であった。なお、摂取されたタンパク質の約9%が呼吸基質として燃焼することが明らかにされた。
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