研究課題/領域番号 |
62304021
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
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研究分担者 |
中須賀 常雄 琉球大学, 農学部, 助教授 (40045133)
小見山 章 岐阜大学, 農学部, 助手 (60135184)
久馬 一剛 京都大学, 農学部, 教授 (80027581)
諸喜田 茂充 琉球大学, 理学部, 助教授 (50045027)
西島 信昇 琉球大学, 理学部, 教授 (80044981)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1988年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | マングローブ / 根圏生態系 / 海岸動物 / 底生動物 / 基質形成 / 根系発達 / イソ酵素 / 種内変異 / 種内異変 / オヒルギ / ヤエヤマヒルギ / 土壌形成 |
研究概要 |
マングローブ林の根圏生態系の生物過程を総合的に明らかにするため、昭和62年9月24日-10月5日、昭和63年9月22日-10月3日、平成元年1月28日-2月5日に沖縄県八重山郡西表島のマングローブ林において、マングローブ域に生息する動物群集の動態と種間関係、マングローブ地域土壌の構造と養分動態、マングローブ林の根系発達過程の現地調査をおこなった。調査の結果得られた資・試料の解析の結果以下の点が明らかになった。 1.地形的要因、たとえば流入河川の大小等が土壌粒子、土壌有機物の堆積過程を通じて基質形成を支配し、土壌の性質、特に酸化還元電位、塩分濃度に影響を与え、それが植物生育の生理生態を制御し、根系発達と林分構造に影響を与えていることがあきらかにされた。 2.オヒルギはヤエヤマヒルギよりも強い還元状態、高い塩分濃度のもとで生育していることを見いだし、オヒルギ林とヤエヤマヒルギ林のT/R率はそれぞれ0.72、0.68と推定された。 3.地形的要因は供給される有機物粒子の大小にも作用し、それを餌としている底生動物の群集構造、有機物の消費、分解過程が地域により異なっていることを見出だした。 4.イソ酵素分析の結果オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキ等に生育林分間でイソ酵素パターンに違いが見られ、種内変異の可能性が示された。 5.マングローブ林はその根圏生態系に特異な生物過程をもっており、物理過程、化学過程と相互作用的、相互制御的に働いて生態系を維持していることが解明された。研究成果は"Biological Process of Mangrove Rhizosphere Ecosystem"としてとりまとめ刊行された。
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