研究課題/領域番号 |
62304027
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
板倉 智敏 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30021695)
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研究分担者 |
後藤 直彰 東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
浜名 克巳 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
立山 晋 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90041003)
梅村 孝司 鳥取大学, 農学部, 教授 (00151936)
大島 寛一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003733)
見上 彪 東京大学, 農学部, 教授 (20091506)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1988年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1987年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 子牛 / アカバネ病 / 牛のウィルス性下痢症-粘膜病 / 水頭症 / 小脳低形成 / 遺伝病 / 先天異常 / 近親繁殖 / 異常産 / Chuzanウィルス / 牛のウィルス性下痢症-粘膜病(BVD-MD) / 牛 / アカバネウイルス / Chuzanウイルス / 牛の下痢症ー粘膜病ウイルス / 奇形 |
研究概要 |
1987〜1988年の2年間にわたって、南九州(鹿児島県、宮崎県)、中国(鳥取県、兵庫県)、岩手県、北海道に発生した異常子牛について、主に疫学的、病理学的に検索した。その結果、次の点が明らかにされた。 1.アカバネ病、本病は今回調査した4地域のうち、北海道を除く3地域で発生をみた。本病の病型には、萎小筋症を特徴とする関節拘縮症と、水頭無脳症がある。今回の調査では前者の発生は概して少なく、後者の発生が圧倒的に多数であった。これを疫学的にみると、南九州、岩手県とかけはなれた北、南といえどもほぼ同一で、関節拘縮症は晩秋(主に11月)、水頭無脳症は春(2〜5月)に発生した。また発生は、黒毛和種、ホルスタイン種、短角種にみられ、品種差はなかった。水頭無脳症では時折小脳低形成が伴われていたが、両者は組織学的に精査すれば識別可能であった。 2.牛のウィルス性下痢症-粘膜病(BVD-MD)中国の北海道地区に発生した。本病の特徴は小脳の低形成であるが、その中に内水頭症を伴う例もあってアカバネ病との類症鑑別をまぎらわしくしている。しかし、本病の内水頭症は脳脊髄液圧の上昇にるとみなされ、それを示唆する変化として第4脳室とクモ膜下腟の非交通性があげられる。なお、本病の小脳異常は、ウィルスが外胚細胞(外顆粒細胞)を選択的に攻撃して形成される異形成である。 3.その他の先天性疾患 今回の調査で、中国、南九州の黒毛和種に遺伝性あるいはそれとみなされる疾患の発生のあることが注目された。それは特発性心筋症、甲状腺機能不全によると思われる発育不全、脳脊髄の海綿状変性、二次性海綿骨の吸収不全、先天性出血素因などであった。これらはいずれも近親交配の結果もたらされることが示唆され、交配の際の雄牛の選択に十分な配慮を必要とすることが指摘された
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