研究課題/領域番号 |
62304028
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大島 寛一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003733)
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研究分担者 |
関川 賢二 家畜衛生試験場, 生物物理研究室, 室長
大木 与志雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (30120760)
小山 弘之 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (00072372)
吉川 堯 (吉川 尭 / 吉川 〓) 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80050467)
小沼 操 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (70109510)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1987年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 牛白血病 / 牛白血病ウイルス / enve遺伝子 / 細胞内ハイブリダイゼーション / 腫瘍関連抗原 / 単クローン抗体 / 白血病細胞 / pX遺伝子 / env遺伝子 / 細胞質内ハイブリダイゼーション / 牛白血病細胞 / pX領域 / 糖鎖抗原 / ウイルス遺伝子 |
研究概要 |
1.牛白血病(BL)の腫瘍細胞(成牛型:EBL、182例、子牛型:CBL、12例、胸腺型:TBL、7例)について、Japanese Lympboma Study Group、1979(LSG)分類に準拠して検討し、EBLはBリンパ球、他はTリンパ球の性状を示し、LSG分類とよく符号する結果を得た。 2.腫瘍関連抗原(TAA)に対する単クローン抗原c143を用いて、臨床的に正常でTAA陽性牛8頭を検索し、4頭は腫瘍病巣を、3頭はリンパ節における初期病変を、1頭は脾髄増生を認め、c143は病牛の診断のみならず発症潜在性をもつ牛の摘発にも有用であることが明らかとなった。 3.EBL牛の腫瘍細胞由来継代株9株を樹立し、その性状を明らかにした。いずれもBリンパ球由来であり、BLウイルス(BLV)を産生し、共通のTAAを保有し、未分化のリンパ球であった。SIgおよびFC受容体については有るものとないものがあった。これらの株から単クローン抗体を作出した。 4.BLV感染性プロウイルスゲノムのクローニンクを行い、分子遺伝学解析によりenv遺伝子の発現と膜融合活性が感染に必要であること、pX遺伝子領域がBLV増殖に必要であること、pX-IおよびII遺伝子がトランスにBLV遺伝子を活性化することが明らかとなった。 5.BLV産生Bat2細胞内に発現するメッセンジャーRNAを検出するためプロウイルスDNAプローブをビオチンでラベルし、細胞内融合を行い光顕レベルで観察可能となった。 6.CBL由来腫瘍細胞株にみられる異常膜抗原はEBLでは検出されず、両者は明らかに区別された。 以上の多彩な成果により腫瘍細胞の発生機序解明に大きく踏み込み、その動態を検証する方策が明らかとなった。
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