研究課題/領域番号 |
62304040
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
生田 房弘 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20018592)
|
研究分担者 |
豊倉 康夫 都老人医療センター, 院長, 東京大学名誉教授 (50009875)
井原 康夫 東京都老人総合研究所, 臨床第2生理, 室長 (60114386)
萬年 徹 東京大学, 医学部, 教授 (10010208)
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
朝長 正徳 東京大学, 医学部, 教授 (10072977)
伊藤 正男 東京大学, 医学部, 教授 (90009887)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1987年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | 神経細胞変性 / 脳病巣修復 / 神経再生 / アルツハイマ-病 / アストロサイト / Bunina 小体 / 大型神経細胞 / ガングリオシド / Sprouting / GFAP / 神経細胞機能 / 機能修復 |
研究概要 |
本研究は神経細胞死滅後の修復機序を解明し、脳機能保持の道を求める基礎的事項の解明を目的としている。3年間に亘り、大きな成果を得た。まず(朝長)はアルツハイマ-病脳抽出液には神経細胞の突起成長、生存作用等があり、痴呆脳においてこの働きが亢進しているという重要な知見を得た。また(井原)はアルツハイマ-脳におけるPHFにタウ蛋白の存在するという重要な知見を得、ついでカ-リ-ファイバ-がsproutingによるという仮説を検証するため、PHFにMAP5という胎児型微小管結合蛋白が結合していることを明らかとし、上記仮説を検証した。また(生田)はアルツハイマ-病脳ではマイネルト核神経細胞だけでなく、被殻の大型神経細胞のみが特異的、選択的に脱落していることを明らかにした。またヒトの運動神経細胞変性だけに発現するBunina小体が神経細胞小胞体の変形であるという重大な知見を得た。これは特異な一定の原因により神経細胞変性が生じていることを示すことから、今後の研究に重大な示唆を与える。(萬年)は老人斑のΒ前駆蛋白は110ー130KDaの膜分画に存在することなどを明らかにした。(熊西)は神経細胞の脱落によってアストロサイトのCFAP発現が増加すること、そしてヒトGFAPcDNAのクロ-ンを分離しその全長の塩基配列を決定した。さらにGFAP遺伝子クロ-ンを分離した。(平井)は過酸化脂質による神経細胞死を検討し、(永井)はまずガングリオシドGQ1bが強い神経突起伸展効果を示すという重要な発見をし、その作用はこの新しい細胞表面局在型プロテンインキナ-ゼを介して発動される証拠を示した。(豊倉)は痴呆脳と加齢脳では外側後頭側頭回に明らかな差のあること。そして(伊藤)は小脳に特有のシナプス可塑性ー長期抑圧ー抑制の性質を解析した。このように本班の研究は今後の脳研究の礎石となる重要な知見を提示した。
|